アンチエイジングには、スキンケアだけでなく、口にする食べ物を意識することも大切です。美肌やデトックス効果が期待できる食べ物を積極的に摂取して、若々しさをキープしましょう。また、食べ方や調理方法、使用する調味料などに注意することで、より効果的にアンチエイジングを行えます。
この記事では、アンチエイジングに効果的な食べ物、食べる際の注意点についてご紹介します。
INDEX
アンチエイジングに効果的な食べ物を選ぶポイント
アンチエイジングに効果的な食べ物を選ぶには、ちょっとしたコツがあります。詳しく見てみましょう。
- 抗酸化作用のある食べ物を選ぶ
体内の酸化が進むと、体に多くの悪影響があります。体内に入った酸素は、一部が細胞にダメージを与える活性酵素になります。活性酸素が体内で増加すると体の酸化を進行させます。
酸化は体のサビと言われ、細胞の老化を早めたり、シミやシワ、たるみなどの症状を引き起こしたりします。また、酸化は髪を黒くする働きがあるメラノサイトにダメージを与えるため、白髪の原因になります。そのほか、免疫力の低下、生活習慣病や動脈硬化などを引き起こすおそれがあります。
体の酸化を防ぐために食生活でできることは、ORAC値(活性酸素吸収能力)が高く、抗酸化作用がある成分を含む食事を取ることです。
抗酸化作用が期待できる栄養素としては、ビタミンC、ビタミンB群、カテキンや大豆イソフラボンなどのポリフェノール、ファイトケミカル(フィトケミカル)、リコピンやルテインなどの脂溶性抗酸化物質が挙げられます。
- GI値の低い食べ物を選ぶ
GI値とは、食後の血糖値の上昇を示す指標です。GI値が低いほど、血糖値の上昇をゆるやかにするため、体内の糖化を防ぎます。糖化とは、体のコゲと言われ、体内の余分な糖分がタンパク質と結びつき、細胞を劣化させることを指します。また、糖化が起きると、AGEという老化促進物質がつくられ、一部が体内に溜まっていくため、肌や髪の老化が進んでいきます。
GI値が低い食べ物としては、肉類、玄米、おかゆ、こんにゃく、ひじき、トマトやさつまいも、レンコンなどの野菜類などが挙げられます。肉類では、鶏肉のささみや、豚や牛のもも肉が、脂質が少なくおすすめです。
逆に、精白米、食パン、バターロール、麺類、じゃがいもなどはGI値が高いため、食べるときは摂取量を調整しましょう。
- 水溶性食物繊維を取る
食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維の2種類があります。水溶性食物繊維は、糖質の吸収を穏やかにする作用があります。腸内の善玉菌を増やすため、むくみ解消や便秘解消、免疫力を高める効果が期待できます。
アンチエイジングをサポートする食べ物18選
食生活を見直すと、むくみ解消など、体に嬉しいさまざまな効果が期待できます。アンチエイジングに効果的な食べ物の種類を見ていきましょう。
- 野菜
・ブロッコリー
解毒酵素の生成を促したり、メラニンの生成を防いだりするスルフォラファンなど、ファイトケミカルが豊富です。また、メラニンの生成を防ぐビタミンCや、老化を防ぐビタミンE、抗酸化力の高いミネラルも含まれています。
・ホウレンソウ
脂溶性で、抗酸化作用があるルテインを豊富に含むため、肌の老化予防が期待できます。また、ルテインは「天然のサングラス」とも呼ばれ、紫外線から目や肌を守る働きもあります。脂溶性のため油と相性がよく、炒め物などにすることで、より効果的に摂取できます。
・トマト
野菜などに含まれる色素のひとつであるリコピンが豊富です。リコピンにはメラニンの生成を抑える一方、コラーゲンの生成を促す働きがあり、シミ、シワなどの肌トラブルを防ぐ効果が期待できます。
・アボカド
肌の老化を防ぎ、健康を保つビタミンC、ビタミンB群、紫外線から肌を守るビタミンEを含みます。そのほか、ハリのある肌へ導くカルシウムやコラーゲン、皮膚の生成を促す鉄分、デトックス効果が期待できる水溶性食物繊維も豊富です。
・ニンジン
肌の状態を整えるビタミンC、ビタミンE、カロテンが豊富に含まれています。ポリフェノールの一種であるクマリンも含まれています。クマリンには血液の流れをスムーズにする働きがあり、むくみ解消にも役立ちます。腸内環境を整える水溶性食物繊維も多く含まれています。
・カボチャ
美肌効果のあるビタミンC、ビタミンE、カロテンや、むくみを防ぐカリウムが含まれています。また、溶性食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整える効果が期待できます。
・メカブ
フコイダン、アルギン酸という成分が含まれています。フコイダンは水溶性食物繊維の一種で、免疫力をアップさせ、美しい髪をつくると言われています。また、アルギン酸はデトックス効果を促す働きがあります。
・ピーマン
抗酸化作用を持つビタミンPや、肌に良いビタミンCなどが含まれています。また、肌の新陳代謝を促すビタミンD、ビタミンEなども豊富に含まれています。
・パプリカ
肌の健康に良いビタミンEが豊富に含まれています。また、ポリフェノールの一種であるクエルシトリンが含まれ、高血圧の予防効果が期待できます。
・ニンニク
老化予防効果が期待できるアルギニン、むくみ解消に役立つカリウム、抗酸化作用のあるセレニウム(セレン)などが含まれています。ビタミンやミネラルなども豊富です。また、刻んで調理することでニンニクに含まれるアリインという成分が変化し、免疫力アップに効果的とされるアリシンという栄養素が生成されます。
・大豆製品
大豆タンパク質が豊富で、血中のコレステロールを下げる効果が期待できます。また、抗酸化作用のある大豆サポニンのほか、ビタミン、ミネラル、鉄分、必須アミノ酸などが含まれています。
- 果物
・リンゴ
抗酸化作用がある水溶性食物繊維のペクチン、ポリフェノールなどのほか、カロテンやカリウムなどが豊富です。ただし、糖質を含むため、食べ過ぎには注意する必要があります。
・バナナ
肌を健やかに保つビタミンB2、抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富です。また、カリウムが含まれ、高血圧の予防に効果的です。
・アサイー
抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富に含まれています。ビタミン、ミネラル、カルシウム、鉄分など、さまざまな栄養素がバランスよく含まれており、スーパーフードとして人気があります。
・カシス
ポリフェノールの一種であり、抗酸化作用を持つアントシアニンが多く含まれています。免疫力アップに効果的な亜鉛や、カロテン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB6なども含まれています。
・プルーン
抗酸化作用が強いフルーツで、不溶性食物繊維や鉄分が豊富に含まれています。低GIのため、血糖値が上がりにくいのも特徴です。
- お菓子
・ナッツ
糖化を抑える働きがあるほか、薄い皮の部分には抗酸化物質が豊富に含まれています。ミネラルやビタミンEなども含まれる食品です。ただし脂質が多いため、食べ過ぎは控えましょう。
・チョコレート
抗酸化作用を持ち、活性酸素を抑制する効果があるとされるカカオポリフェノールが豊富です。亜鉛や鉄分などのミネラル、食物繊維なども含まれています。
老化を防ぐために食事で気をつけたいポイント
調理方法や食べ方を工夫すると、より高いアンチエイジングの効果が期待できます。食事を取る際に気をつけたいポイントを確認しましょう。
- 良質な油を使う
調理に油を使う場合には、植物性の油を使用することを心がけましょう。オリーブオイル、亜麻仁油、シソ油などには、脂肪細胞を抑制する効果があると言われています。
- 添加物の入った加工食品を避ける
加工食品を摂取することは、体の活性酸素を増やす原因になります。できるだけ添加物が少ない食品や、無添加の食品を取り入れるように心がけましょう。
- 白砂糖を使用しない
白砂糖は体内で分解されにくいうえに、細菌やウイルスの餌になると言われています。砂糖で味付けをする場合は、未精製の砂糖を使用するようにしましょう。
- 炭水化物の取りすぎに注意
ごはんやパン、麺類などの炭水化物を食べると、血糖値が上がりやすくなります。食事の初めに野菜を食べるベジファーストを行い、血糖値の上昇を防止するように意識すると良いでしょう。
- 緑黄色野菜の摂取を心がける
緑黄色野菜には、体の老化を防ぐ働きを持つファイトケミカルが含まれています。トマト、ニンジン、ホウレンソウ、ブロッコリー、オクラ、春菊、カボチャなどの緑黄色野菜を、毎日の食事で積極的に取るように意識しましょう。
毎日の食事を見直して、若々しい体を目指しましょう
アンチエイジングに効果のある食べ物を意識して摂取することで、美容と健康に嬉しい効果が期待できます。また、食事の際には調味料や栄養バランスにも気を配ると、より変化を実感できるでしょう。毎日の食事をちょっと工夫して、老化を防ぎ、若々しさを保ちましょう。


この記事の監修者
ドクター小池クリニック 院長
小池佳嗣 先生