インナードライ肌とは? 乾いた肌を潤すスキンケア方法と生活習慣

インナードライ肌とは? 乾いた肌を潤すスキンケア方法と生活習慣

2018年2月27日

この記事の監修者
形成外科医
後藤真理 先生

「インナードライ肌」とは、肌の内側が乾いた状態のこと。肌表面は過剰に分泌された皮脂により、ベタついたりテカったりしているため、内側の水分不足に気がつかず、隠れ乾燥と呼ばれることもあり、自分の肌を脂性肌や混合肌と思い込んでいる人も少なくありません。また、乾燥が進行すると肌トラブルを起こしやすいため、自己診断により敏感肌と思っている人も多いようです。そのため、間違ったお手入れを積み重ねインナードライを深刻化させてしまい、悪循環に陥っている場合も。

人間の身体の70%は水分です。年齢を重ねるとともに水分の保持能力も低下します。インナードライ肌を放置することはお肌のエイジングの原因にもなるのです。

インナードライ肌の特徴と原因をはじめ、日常生活においての注意点やおすすめのお手入れ方法をお伝えします。内側からたっぷりと水分を蓄えた、みずみずしく弾むお肌をめざしましょう。

インナードライ肌の特徴と原因

  • インナードライ肌とは

近頃耳にすることが増えたインナードライ肌とは、文字通り肌の内側の水分が不足し、乾燥している状態のこと。内側に反して、肌の表面は過剰な皮脂分泌によりテカったりべたついています。

一見したところオイリー肌のようにも見えるため自覚症状がない人も多く、実は日本女性の8割が該当するともいわれています。

  • インナードライ肌の主な特徴

インナードライ肌は、肌の内側の水分が不足した状態。潤い不足によりキメが乱れ、毛穴も開きがちに。さらには肌表面が硬くゴワつくようになります。その結果、化粧ののりも悪くなり、メイク崩れも起こしやすくなります。

また季節の変わり目に肌状態が揺らぎやすく、敏感肌のようにかゆみや肌荒れを起こすことも増え、肌トラブルが絶えない状態に。

さらに、口もとはかさつくのにTゾーンはてかったり、べたつきと同時に突っ張りを感じるなど複合的な状態もインナードライ肌の特徴です。

  • インナードライ肌になるしくみと原因

インナードライ肌はどのように起こるのでしょうか?

バリア機能の低下やターンオーバーの乱れによって、角質層の水分バランスが低下して乾燥が進むと、肌が水分をキープしようと防御機能が働き、皮脂の分泌が活発化します。それによりべたついた状態がインナードライ肌で、皮脂が多く分泌されると潤ったように感じることがあるかもしれませんが、水分量が増えたわけではないため肌内側の乾燥は改善されません。健康な肌と比較すると水分量は少なく皮脂量は多い状態です。

インナードライ肌の原因には、偏った食生活やストレス、睡眠不足などの不規則な生活などの内的要因と、冷暖房による乾燥や紫外線ダメージ、間違ったスキンケアなどの外的要因があります。これらによって、肌の表面にある角質層がダメージを受けてしまうことで起こるのです。

インナードライ肌が進行すると、ターンオ―バーが乱れ、古い角質が肌表面を覆うようになり角質肥厚を招きます。ますます保湿力が低下し、乾燥は肌表面にまで及ぶようになり、エイジングを早め、くすみやたるみ、シワやしみなどさまざまなトラブルを起こすようになってしまうのです。

 

インナードライ肌を招く生活習慣と環境

  • インナードライ肌を招きやすい生活習慣

インナードライ肌がやっかいなのは、一見してそれとわからないことです。肌表面の皮脂分泌が過剰な状態から、脂性肌や混合肌と思い込んでいる人も少なくないのです。

べたつきやテカリが気になるあまり、1日に何度もあぶらとり紙で皮脂を取ったり、洗顔をするなど過度な皮脂ケアをしていませんか? それらのお手入れにより肌の乾燥をはますます進み、皮脂の過剰な分泌を促している可能性があります。また、皮脂を抑えるためにティーン用やニキビケア用のさっぱり系スキンケアアイテムの使用により、肌が潤い不足に陥っているかもしれません。

日常的な睡眠不足やストレスを多く抱える人は、ホルモンバランスを崩しやすく、肌のターンオーバーも滞ったり早まったり、正常なサイクルで行われなくなる傾向にあり、これらもインナードライ肌を招く要因となります。

  • インナードライ肌になりやすい生活環境

インナードライ肌は、一年を通じて保湿に特化したお手入れを行うことが大切です。特に夏と冬は冷暖房による乾燥によりインナードライ肌が深刻化しやすく、注意が必要な季節です。一日中空調のきいたオフィスでデスクワークを行っている人は要注意です。

 

夏は汗や皮脂の分泌の高まりにより、乾燥していることに気がつきにくく、保湿ケアを怠りがち。そのため、インナードライが進行しやすく水分保持力は低下します。

 

インナードライ肌を改善するスキンケアのコツ

  • 落とすケアは優しく行う

インナードライ肌はバリア機能が正常に働かず、潤いも流出しやすい敏感な状態。べたつきが気になる肌のクレンジングや洗顔は、さっぱりした洗い上がりを求める傾向がありますが、強い摩擦は厳禁。いつも以上に肌への刺激を最小限に抑えて優しく行いましょう。

クレンジングは界面活性剤不使用のものが望ましく、肌に摩擦を生じないテクスチャーのものを選びましょう。肌と指の間にクッションを感じながら、肌を傷つけることなく速やかに行うことが大切です。普段のメイクなら洗浄力がマイルドなクリームか乳化ジェルタイプがおすすめです。

洗顔は、朝と夜の1日2回が基本です。しっかりと泡立てて、泡のクッションでなでるようにやさしく洗ったら、ぬるめのお湯で洗い流します。洗顔の目安は1分〜1分半といわれています。それ以上の時間をかけすぎたり、お湯の温度が熱すぎたりする過度な洗顔は控えましょう。皮脂の取り過ぎが乾燥の原因になります。

  • 間髪入れずに、化粧水と乳液を

肌の潤いをキープするためには、洗顔後の保湿がとても大切になります。洗顔後の肌はバリア機能の役目を果たす皮脂を取り去った無防備な状態のため、水分がどんどん蒸発していきます。一度肌の水分量が下がってしまうと、ベストな状態に戻るまでは時間がかかります。突っ張り感を感じてからでは遅く、お肌に潤いが残っているうちに潤い補給することがお手入れのカギ。目安は、洗顔後3分以内の保湿です。スピードが勝負になるため、化粧水はバスルームに準備しておくなどの工夫が必要かもしれません。

化粧水は、保水力のあるものを選びましょう。手のひらでたっぷりと肌になじませたら、手のひらで包み込むようにして、体温を利用したハンドプレスで浸透力を高めましょう。洗顔後すぐに化粧水で保湿することで肌を柔軟に保つことは、その後の潤いの浸透も高めてくれます。

次に水分をお肌に閉じ込め、ふっくら柔らかな肌をキープするために乳液かクリームでしっかりとふたをします。皮脂腺が少なく乾燥しがちな目元や口元は特にていねいになじませましょう。

さらに保湿力を高めるために美容液やオイルをプラスするのもおすすめです。

  • 時にはピーリングで潤い浸透力を高める

ターンオーバーが滞り角質肥厚で肌が硬くなると、潤いが浸透しにくい状態になります。乾燥により肌が厚く硬くなっていたり、いくら保湿ケアを頑張っても潤い不足を感じる時はスペシャルケアを取り入れるのも有効な方法です。

ピーリングによって古い角質を取り去ることで、肌がなめらかになり浸透力がアップ。化粧水や乳液に含まれた美容成分がすみずみまでいきわたります。ただし、やりすぎは禁物。肌の状態を見極めながら取り入れましょう。

  • 日中の保湿ケアを怠らない

インナードライ肌を防ぐには、日中の保湿ケアも大切です。オフィスや室内で乾燥を感じたリ、メイク直しの際には、保湿力のあるミストをひと吹きする習慣をつけましょう。

 

スキンケア用品の選び方

  • 皮脂を取り除くタイプのスキンケア用品・洗顔料は避ける

お手入れ方法も大切ですが、使用するスキンケアアイテム選びも大切です。

アルコールが入った刺激の強いものや、皮脂を過剰に取り去るもの、拭き取りタイプの化粧水などは、皮脂の過剰な分泌を促進する可能性があり、インナードライ肌には適しません。

  • 保湿成分の入っているものを選ぶ

インナードライ肌には、保湿成分を配合されているスキンケア用品を選びましょう。中でもセラミドとヒアルロン酸は高い保湿効果が期待できる成分です。

セラミドは肌のバリア機能を正常に導き、水分を閉じ込めてキープする働きを備えています。肌は角質層の中で何層にも角質細胞が積み重なり、その細胞同士の間を細胞間脂質が隙間なく埋めて水分を保持しています。この細胞間脂質の主成分がセラミドで、肌の保湿機能の80%がセラミドによるものといわれています。不足すると肌の水分をキープする機能と外部刺激から肌を守るバリア機能が低下。トラブルをくり返しやすい肌になってしまいます。

ヒアルロン酸は、角質細胞の水分を抱え込みます。セラミドにより細胞間脂質が満たされていると、その水分を逃すことなくしっかりとキープ。セラミドと一緒に取り入れることで、肌への相乗効果を発揮します。

ともに本来肌に存在する成分ですが、加齢とともに減少してしまうため、しっかりと補って効果的なお手入れを行いましょう。

  

生活習慣で気をつけたいポイント

  • 栄養バランスの整った食生活を心がける

バランスの取れた食生活は美容の基本ですが、インナードライ肌が特に積極的に取り入れたいビタミンはビタミンAやビタミンB群です。

ビタミンAは脂溶性ビタミンのひとつ。皮膚や粘膜の上皮細胞の新陳代謝を促しお肌のターンオーバーをスムーズに。乾燥に加えニキビにも効果的です。ほうれん草や人参などの緑黄色野菜や、鶏レバーやうなぎなどに多く含まれています。脂溶性ビタミンなので、油と一緒によることで吸収が高まります。

ビタミンB群は、糖質・脂質・タンパク質の代謝をスムーズにするビタミン。皮膚や粘膜の健康を維持するビタミンで、不足すると肌荒れの原因になります。また、精神安定とストレスにも効果的です。豚肉や雑穀・豆類に豊富に含まれています。

B2は細胞の再生や粘膜を丈夫にして、ニキビにも効果的です。牛乳や納豆に多く含まれています。水に溶けやすく熱に弱い水溶性のビタミンなので、取り過ぎの心配はほぼなく、こまめに摂取するように心がけましょう。

  • 良質な睡眠をとる

これまでは、お肌のゴールデンタイムは成長ホルモンの分泌が最も活発になる22時〜26時というのが定説とされてきましたが、仕事、育児、家事と多忙を極める現代女性が22時に眠ることは難しく、叶わない理想論として語られていました。

最近では、成長ホルモンが分泌しやすいのは入眠後の3時間で、特定の時間に限定しないという説を唱える専門家が増加しています。入眠から3時間の間に脳下垂体から、肌のターンオーバーを促す成長ホルモンが分泌されるため、大切なのは、入眠後の3時間は熟睡すること。質の良い睡眠を取ることは美肌再生の促進だけでなく、ストレス解消にもつながるのです。

可能ならば、24時前に眠ることが望ましく、眠りにつく前は目や神経を酷使するテレビやスマホなどは避けて、副交感神経優位のリラックスした状態で入眠することが望ましいでしょう。

  • 水分を取るようにする

たっぷりと水分を取ることで内側から潤った肌をめざしましょう。血液中の老廃物の流れを促し、栄養を行き渡らせることで、肌や髪が潤います。

水を飲み過ぎると浮腫むと思っている方もいると思いますが、それは冷たい水や一度にまとめて飲んだ場合。常温であることと、こまめに飲むことを心がければインナードライ肌への効果が期待できるでしょう。

  • 紫外線対策を行う

紫外線は肌にとっては刺激になるだけでなく乾燥の原因にもなります。

紫外線にはA波とB波があり、A波はしわやたるみを招くといわれますが、乾燥の大敵はシミやソバカスの原因と知られるB波。肌の潤いを奪ってしまいます。

5月から9月は紫外線が降り注ぐ量が一年で最も強くなります。汗をかきやすい時期でもあるので、こまめに塗り直しましょう。

  • あぶらとり紙は極力使用しない

インナードライ肌がテカリやべたついているのは、肌内部の水分不足から防御機能として皮脂が過剰に分泌されているから。あぶらとり紙を使うことで、さらなるテカリやメイク崩れを招いてしまうこともあるのです。

そこでおすすめは、軽いテカリならティッシュで軽く抑え、保湿ミストをシュッとひと吹き。その後にパウダーやファンデを重ねればメイク仕立ての美しい仕上がりが復活します。

 

肌の水分量を上げてインナードライ肌を克服

インナードライ肌は隠れ乾燥肌とも呼ばれ、自覚がないため、間違ったお手入れと日々の無防備な生活習慣で深刻化させている人も少なくありません。

偏った食生活、ストレスの常態化、睡眠不足などの不規則な生活や、冷暖房による乾燥や紫外線ダメージ、間違ったスキンケアなどの日々の悪化因子を避けるとともに、セラミドとヒアルロン酸の相乗効果を利用して、保湿に特化したスキンケアを行いましょう。

ビタミンAとB群の豊富な栄養バランスの整った食事や良質な睡眠を心がけて、たっぷりと水分を摂ることが内側から潤う肌への近道です。

 


この記事の監修者
形成外科医
後藤真理 先生