キレイを作る女性ホルモン

キレイを作る女性ホルモン

2018年4月11日

この記事の監修者
薬剤師・アロマセラピスト
三矢朝美 先生

女性の若さや美しさを司るものとして知られている女性ホルモン。
女性ホルモンが大切なのはなんとなくわかっているけれど、そもそもどんなものなのか、どんな働きがあるのか、正しく理解していますか。女性ホルモンは女性のライフステージと共に変化し、女性の一生を通して体調や美容に大きな影響を与えます。女性ホルモンを味方につけて、元気で楽しく、美しい人生を目指しましょう!

女性ホルモンとは?

人間の体内には、ホルモンと呼ばれるものが50種類以上も存在します。そのなかで女性ホルモンと呼ばれるのは、「エストロゲン」「プロゲステロン」の2種類です。


●「エストロゲン」(卵胞ホルモン)
エストロゲンは8歳頃から卵巣で分泌される「女性らしさ」を作るホルモンです。思春期には乳房の成長などを促し、女性ならではの丸みを帯びた身体を作ります。平均12.5歳で女性は初潮を迎えますが、エストロゲンは生理にも深い関わりを持ち、閉経まで生理の周期ごとに分泌量の増減を繰り返します。また、骨量の維持や脳の働きを活発にしたり、血流をよくする働きもあります。肌や髪のツヤもエストロゲンが関係しており、美容面でもとても大切な存在です。

 

【働き】
・女性らしさをつくるホルモン。

・乳房の成長などを促し、女性らしい丸みを帯びた身体を作る。

・肌や髪をツヤツヤにする。

・自律神経を安定させる。

・骨量を維持する。

・脳の働きを活発にする。

・基礎体温を下げる。

【分泌時期】

・生理の終わり~排卵前。基礎体温は低温相を示す。

・エストロゲンの分泌が多い時期は、卵胞期と呼ばれ、比較的心と身体が安定し、体調が良い時期。肌の調子も良い。


●「プロゲステロン」(黄体ホルモン)
プロゲステロンは妊娠に深く関わるホルモンです。子宮内膜に厚みを与えて柔らかくし、妊娠の準備を整えます。また、体温を上昇させる働きがあるため、基礎体温を測ることでプロゲステロンが正常に分泌されているかを知ることができます。

 

【働き】

・妊娠に深く関係するホルモン。

・受精卵が子宮内膜に着床しやすい状態に整え、妊娠後は妊娠を継続させる働きをする。

・基礎体温を上げる。

【分泌時期】

・排卵後~次の生理。基礎体温は高温相を示す。

・プロゲステロンの分泌が多い時期は黄体期と呼ばれ、むくんだり頭痛や腰痛が起こるなどの不調が出やすい。精神的にも不安定になり、イライラしたり落ち込んだりする。吹き出物が出たり、肌の調子も不安定に。

女性ホルモンの分泌量は、一生のうちでティースプーン1杯分と言われています。
とても少なく感じますが、この分量でバランスが保たれており、そのバランスが崩れてしまうと、月経不順や更年期障害、動脈硬化や子宮ガン、骨粗鬆症などが現れることがあります。

 

女性のライフステージと女性ホルモン

女性の身体は、年齢を重ねると共に変化していきます。初潮、妊娠、出産を経て閉経に至るまで、女性の心と身体やすべてのライフステージに影響を与えるのは、エストロゲンとプロゲステロンなのです。

 

【思春期(8歳~18歳頃まで)】
エストロゲンが少しずつ分泌されるようになります。まだエストロゲンを作る卵巣の働きが未熟なため、生理周期や期間は不安定です。

 

【成熟期(18~40代半ば頃まで)】
エストロゲンの分泌のピークは⒛代後半。心身ともに充実し、身体が妊娠や出産に適した状態に。30代半ばからは卵巣機能が衰え始め、エストロゲンの分泌が低下。40代半ばになると月経周期が不安定に。更年期に差し掛かるサインです。

 

【更年期(40代半ば頃~50代半ば頃まで)】
閉経(平均50.5歳)が起こる前後5年間が、一般的に更年期と呼ばれる時期。卵巣の働きが低下し、エストロゲンの分泌量が急激に減少します。ホルモンバランスが崩れ心身に不調が現れる、いわゆる「更年期障害」に陥る人も。

 

【高齢期(50代半ば以降)】
閉経によりエストロゲンの分泌がなくなります。エストロゲンは骨量を維持したり、血中の脂質を下げる働きがあるので、 分泌がなくなることにより骨粗鬆症や動脈硬化など、病気のリスクが高まります。

 

女性ホルモンのバランスを整える方法

女性ホルモンの減少が影響する更年期障害は、50歳前後で現れることが一般的ですが、最近は30代でも症状を訴える女性が増えています。疲れやすい、やる気が起きない、生理不順やPMS(月経前症候群)、肌が乾燥する、髪にハリやツヤがなくなった……などといった症状は、女性ホルモンのバランスが乱れているサイン。それは無理なダイエットや睡眠不足、ストレスなどが影響していると言われています。生活習慣を見直し、女性ホルモンのバランスが整うよう意識しましょう!

 

【方法①良質な睡眠】

女性ホルモンのバランスを整えるには、良質な睡眠が何より大切です。遅い時間まで起きている、ベッドのなかで強い光を放つスマートフォンを見ている、寝る前に珈琲などのカフェインを摂るなどは、良質な睡眠の妨げになります。

そして、起床時間と就寝時間を一定にすること。体質に合う睡眠時間の長さは個人差がありますが、睡眠のリズムを一定にすることが、良質な睡眠につながります。そして、寝る1時間前から照明を落とし、ヒーリング効果のある音楽や、アロマの香りなどでリラックスを。朝はしっかりと太陽の光を浴びて、目を覚ましましょう。

 

【方法②食生活】

極端に食事量を減らしたり、食物の種類を厳密に制限する無理なダイエットは、ホルモンバランスの乱れにつながります。栄養に偏りがあるジャンクフードなども、PMS(月経前症候群)を悪化させたり、身体を冷やし、卵巣機能の低下を招きます。

女性ホルモン活性化のために、積極的に摂りたい成分は、大豆イソフラボン。女性ホルモンのような働きをするとも言われ、女性ホルモンのバランスを整えてくれます。特に納豆は大豆が原料であり、かつ発酵食品でもありますので、美容にも効果が期待できます。大豆からできている豆乳も、手軽に取り入れやすいのでおすすめです。

逆になるべく控えたいのは、カフェインです。カフェインは神経が過剰に反応すると言われており、イライラや落ち込みを助長します。特にPMS(月経前症候群)の症状が強い方には、リラックス効果の高いカモミールやレモングラスなどのハーブティーがおすすめです。

 

【方法③ストレス解消】

過度なストレスも、ホルモンバランスを乱す大きな要因。意識的にリラックスする時間を持って、ストレスを溜め込まないようにしましょう。


①音楽を聴く
音楽には心と身体を癒す効果があり、自分の心が安らぐと思う音楽を聴くことでリラックスできます。わざわざ音楽を聴く時間を取れない方は、家事の合間のBGMに音楽を流すのも効果的です。


②笑う
「笑う」ことはストレスの解消や、免疫力のアップにつながると言われています。バラエティ番組を見たり、友人とおしゃべりをして思いきり笑ったり。リラックスできる時間を持ちましょう。


③お風呂
お風呂はシャワーで済ませるのではなく、湯船に浸かることをおすすめします。湯船に浸かって温まることで血行がよくなり、身体はリラックス状態に。お気に入りの入浴剤を入れると、香りで癒されます。

 

【方法④ウォーキング】

適度な運動はストレスを発散させ、女性ホルモンのバランスを整えるのに効果的です。中でもウォーキングは、脚、腕、腹筋、背筋が連動し、全身をまんべんなく動かすので、血流が良くなり、基礎代謝が高まります。身体全体の筋肉を使うと脳が活性化され、自律神経が活発になります。そのため、女性ホルモンの働きを整えるだけでなく、脂肪を燃焼したり、冷えを解消したり、生活習慣病や動脈硬化、骨粗鬆症の予防にも効果があります。さらに、最近の研究では、更年期障害のひとつであるホットフラッシュ(急にのぼせたように顔が赤くなったり、汗がとまらなくなる症状)の改善にも、ウォーキングが効果をもたらすことがわかってきました。長く続けるには、1日●分、●歩歩くといったルールを設けるのではなく、景色を楽しめるようなお散歩コースを探したり、買い物好きの方ならショッピングモールを歩き回るのもおすすめです。

 

無理なダイエットや食生活の乱れ、睡眠不足や過度なストレスなどで、女性ホルモンのバランスは崩れてしまいます。バランスが崩れると疲れやすくなったり、気分がなかなか晴れなかったり。さらに生理不順や不妊など、体調にも悪影響をもたらします。規則正しい睡眠やバランスの取れた食生活、適度な運動を心がけ、女性ホルモンのバランスを整えて、心も身体も健康で美しい女性でありたいものです。