毎日肌のお手入れは入念にしていても、食事は疎かになりがち。実はシミ改善に効果的な食べ物が沢山あるということを知っていますか?シミ改善を望むなら、ぜひそれらを日々の食生活に取り入れたいものです。調理方法や食べ方で吸収率が変わる食べ物が多いので、事前の下調べはとても重要です。今回はシミに効く栄養素と代表的な食材、おすすめのレシピまで一挙にご紹介します。
食生活でシミは改善できる?
日々食べているものを見直し、食生活を変えるだけでシミを完全に消すことは可能なのでしょうか。
- 食材がシミの「改善」を助けてくれる
シミのお手入れには二通りあります。美白化粧品やスキンケア、クリニックでの施術などによる外側から働きかけるものと、食材の栄養を体の内側から取り込み、内側から働きかけるものです。どちらも100%シミを消す効果はありませんが、内側から働きかけるほうが、シミのできやすい体質を根本的に改善することができるので、一時的なものではなく長期にわたって効果が期待できます。
シミができるメカニズム
紫外線はシミの敵とよくいわれますが、なぜ紫外線がシミの原因になるのでしょうか。
- 紫外線などの外部刺激によるもの
肌の表面の皮膚であるケラチノサイト(角化細胞)が紫外線などによる刺激を受けると、表皮の一番奥にある基底層のメラノサイトへ伝達されます。メラノサイトは紫外線から細胞を守るためメラニン色素を作り、ケラチノサイトに蓄積します。これが過剰に蓄積されることによってメラニン色素が色素沈着を起こしシミの原因となるのです。
シミ解消におすすめの栄養素
シミを完璧に消すことは難しいですが、シミを作りにくい身体を目指すことはできます。シミに効くとされるおすすめの栄養素と、含量が多い食材をご紹介します。
- ビタミンC
ビタミンCはケラチノサイトに蓄積したメラニン色素を、普通の色素に戻す効果があるので、シミを薄くする効果が期待できます。
ビタミンCを多く含む食べ物
赤ピーマン
赤ピーマンは緑ピーマンが熟したもので、ビタミンCを筆頭にカロテン、ビタミンPなどが多く含まれています。緑ピーマンより栄養価が高いので積極的に赤ピーマンを選びましょう。
レモン
ビタミンCといえば最初に思い浮かぶのがレモン。料理や飲物などいろいろなものに加えやすいので活用しましょう。
キウイフルーツ
キウイはフルーツ界の王様といっていいほど栄養価が高い果物です。ビタミンCをはじめ食物繊維、鉄、たんぱく質など多くの栄養素が含まれます。ゴールドキウイの方が栄養価が高くおすすめです。
オレンジ
手軽で年間を通して手に入りやすいオレンジはビタミンCが多く含まれています。バレンシアオレンジよりもネーブルオレンジの方がより多く含まれています。
ブロッコリー
ビタミン、ミネラルを多く含むブロッコリーは、約2房食べるだけで成人の1日に必要なビタミンCを摂取できるといわれています。食べ応えもあり、食物繊維もたっぷりなので、ダイエット食材としてもおすすめです。
パパイヤ
解毒作用があることで人気のパパイヤはビタミンCの含量も豊富です。おいしさもさることながら、ビタミンE、ベータカロテンも多く含みコレステロール酸化を防止し、心臓発作を引き起こす危険を抑える効果があるともいわれています。
ベーコン
意外と思われますがベーコンにもビタミンCが含まれています。脂質が多いので取りすぎには注意が必要ですが、糖質の代謝をよくするビタミンB1や貧血を防ぐビタミンB12など、野菜では取りにくい栄養素も兼ね備えています。
また、ベーコンをはじめとするハムやソーセージには添加物が多く含まれている場合が多いため、食材選びの際は成分をご確認することをおすすめします。
おすすめのレシピ
水溶性のビタミンCは摂取しても2~3時間で身体から排出されてしまいます。また、水溶性のビタミンは水に流れやすい性質があるので、ゆでるよりは、水を使わない加熱方法(炒める、無水鍋を使用する)か調理せず生で食べるのがおすすめです。一工夫することで水溶性のビタミンの損失を抑えることができます。
ビタミンC野菜スムージー
材料(2人分)
キウイフルーツ、オレンジ、赤ピーマン、小松菜、バナナ(全て適量)
水(100-200ml)、氷(入れた方が飲みやすい。)
ミキサーに入る大きさに野菜と果物をカットしたら、水気の多い順にミキサーの下に入れ回転させる。※水分の多いものが下の方が回転しやすい。
青パパイヤのタイ風サラダ
材料(2人分)
青パパイヤ(1/2本)、にんじん(1/3本)、トマト(1個)
スイートチリソース(大さじ2)、ナンプラー(小さじ3)、レモン(1個)
青パパイヤ、にんじんは千切りに、トマトは食べやすい大きさにカットします。調味料を混ぜ合わせ、最後にレモンをギュッと絞れば完成。
- エラグ酸
メラニンを黒く変化させるチロシナーゼという酵素の働きをやわらげ、シミになるのを未然に防ぐ効果が期待できます。
エラグ酸を多く含む食べ物
いちご
エラグ酸はもちろんのことシミを薄くする効果のあるビタミンCも多く含まれているので、シミ対策フルーツとして是非取り入れたい食べ物です。
パイナップル
他のものと比べると含量は少ないですが、年間を通して手頃に購入できる果物としておすすめです。また、カリウムが多く含まれているので高血圧の予防にも役立ちます。
ブラックベリー
エラグ酸の含量が特に優れている果物です。また、眼精疲労に効くとされるアントシアニンを多く含むことでも有名です。意外と知られていませんが食物繊維の量も果物の中ではトップクラスです。
ラズベリー
ブラックベリーに継ぎラズベリーもエラグ酸の含量が多いことで有名です。さらにアボカドに並ぶほどの鉄分を含んでおり、貧血の人にはもってこいの果物といえます。
おすすめのレシピ
どうしても生で食べる食材が多いので、気をつけたいのは食べる前の下処理です。特にいちごには農薬が多く付着している可能性があるので注意が必要です。
農薬の落とし方
水を入れたボールに、重曹をスプーン1杯ほど入れしっかりかき混ぜます。そのなかにいちごなど丸ごと食べる果物を入れ、約20-30秒漬けます。漬けたものは最後に軽く流水で洗って下さい。
ベリーヨーグルト
材料(1人分) 無糖ヨーグルト(適量)、いちご、ブラックベリー、ラズベリー
必要に応じてフルーツを一口大にカットし、ヨーグルトと混ぜるだけ!フルーツから甘さや酸味などがでるので、ヨーグルトは無糖のものを選びましょう。
- ビタミンB2
シミ改善に直接的な効果はありませんが、細胞の再生を促し、肌の代謝を上げる効果が期待できます。
ビタミンB2を多く含む食べ物
レバー
鉄分が豊富なことで有名なレバーですが、ビタミンA群ならびにビタミンB2も多く含まれています。牛、豚、鶏で味や食感は変わりますが、栄養素はほとんど変わりませんので好きなものを選びましょう。
牛
スーパーでは手に入りにくくなっていますが焼肉などで人気。
豚
牛と鶏に比べ鉄と亜鉛の含量が多いのが特徴です。
鶏
鶏レバーは他に比べ、カロリーが低いのでヘルシー志向の方におすすめです。
豚肉
ビタミンB2の含量はレバーには及びませんが、豚肉にはビタミンB群の宝庫といえるぐらい多くの栄養素が含まれています。バランスよくビタミンB群を摂取したい方におすすめです。
おすすめのレシピ
ビタミンB2は水溶性のため調理中に流れないようするか、流れてもソースとして一緒に食べられる料理がおすすめです。
鶏レバーとこんにゃくのヘルシー味噌炒め
材料(2人分)
鶏レバー(100g)、こんにゃく(1/3パック)、ニラ(1束)
ごま油(少々)、味噌(大さじ1)、三温糖(小さじ2)、みりん(大さじ1)、酒(小さじ1)、醤油(大さじ1)
鶏レバーの表面に格子状の切れ目をいれ一口大に切り下茹でしておきます。こんにゃくは食べやすい大きさにちぎり、ニラは4センチ程度の長さに切りましょう。フライパンにごま油を引き中火で加熱し、こんにゃく、鶏レバー、ニラの順番に炒め、最後に調味料を絡ませて完成です。
超簡単!鶏レバーペースト
材料 鶏レバー(200g)、味噌(小さじ1)、ブランデー(小さじ1)、生姜(少々)、酒(小さじ1)、ハーブ(お好みで)、塩コショウ(お好みで)
鍋にお湯を沸かし、お酒とレバーを入れ弱火で火が通るまで煮ます。次にレバーをすり鉢でペースト状にし、味噌、ブランデー、生姜、ハーブを練り合わせます。最後に塩コショウで味を調整して下さい。
- β-カロテン
β-カロテンは体内に摂取されるとビタミンAに変換されます。ビタミンAには滞留したメラニンを排出する働きや、皮膚の成長を促し正常に保つ効果があるとされています。
β-カロテンを多く含む食べ物
にんじん
β-カロテンの含量が特に優れており、年間を通して安価に手に入るので、最もおすすめしたい食材です。ビタミンB2も含まれていることから肌の代謝を上げる効果も期待できます。
ほうれん草
にんじんに継ぎ緑黄色野菜の中ではトップクラスの含量です。β-カロテン以外にも鉄分をはじめ、ビタミンCなど多くの栄養素が含まれており、栄養価の高い野菜です。
スイカ
果物平均のβ-カロテン量の約5倍もの含量があるとされています。さらに利尿作用を促すカリウムが豊富に含まれているので、むくみ解消にも効果的です。
おすすめのレシピ
β-カロテンは油と一緒に摂取することでより吸収されやすくなるので、炒め物やナムルなどがおすすめです。
10分で作れる!にんじんのきんぴら
材料 にんじん(1本)、白ごま(大さじ1)、酒(大さじ1)、砂糖(大さじ1)、みりん(大さじ1)、白だし(大さじ1)、油(適量)
千切りにしたにんじんを油を引いたフライパンで炒めます。しんなりしてきたら、調味料を入れ、水分がなくなるまで煮詰めます。最後に白ごまを合わせて完成です。
ほうれん草のナムル
材料 ほうれん草(1房)、ごま油(大さじ2)、塩(小さじ1)、鶏ガラスープの素(小さじ1)、水(少々)、白ごま(大さじ2)
ほうれん草を茹で1センチ幅に切ります。調味料を混ぜ合わせ、水っぽさが少ないときは適量で水を追加して下さい。最後に白ごまを和えて完成です。
- セラミド
セラミド自体にシミを消す効果はありませんが、セラミドのもととなる、脂質やアミノ酸などを摂取することで肌にバリア機能を与え紫外線などの刺激をブロックする効果が期待できます。また、セラミド自体が強い保湿機能も持ち合わせているのも特長です。
経口摂取されたセラミドが皮膚にどのような働きを及ぼすかはまだ解明されていない部分が多いのも事実です。
セラミドを多く含む食べ物
こんにゃく
ダイエット食材として人気のこんにゃくにはセラミドもたっぷり含まれています。通常のこんにゃくに比べ、生芋こんにゃくの方がセラミドの含量が多いのでおすすめです。
米
日本人の主食であるお米にもセラミドは含まれています。米ぬかに多く栄養があるので、お米の洗いすぎには注意しましょう。
小麦
ビタミン、ミネラルなど多くの栄養成分を兼ね備えているものの、セラミドの含量も含め、一日で理想的な量を小麦単体で得ることは困難です。他の食材と合わせて食べましょう。
また、グルテンフリーという考え方もあります。小麦をはじめとする大麦・ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるたんぱく質の一種である「グルテン」を摂らないことです。グルテンに対してアレルギー症状のある方に向けて作られた食事療法ですが、アレルギー症状のない方も美容に期待できると、生活に取り入れていることもあります。
ご自身に合った方法を選びましょう。
ほうれん草
シミを薄くする効果が期待できるビタミンCやβ-カロテンも持ち合わせているので積極的に取り入れたい食べ物の1つです。茹ででしまうと栄養素が流れてしまうので、蒸すか生で食べるのがおすすめです。
おすすめのレシピ
毎日でも取り入れたいセラミドですが、セラミドの含量が多いこんにゃくは飽きがきやすいかもしれません。少しでも飽きずに食べられるこんにゃくレシピをご紹介します。
こんにゃく入り玄米ごはん
材料(3合分)
白滝(300g)、発芽玄米(1合)、白米(2合)
※玄米と白米の量はお好みで調整して下さい。
白滝は熱湯をかけてから洗い、米粒大に細かく切ります。あとはいつもの炊き方で3合分の水を炊飯器に入れ、白滝と一緒に炊くだけです。
こんにゃくのガーリックソテー
材料(2人分)
こんにゃく(1枚)、バター(15g)、レモン(1/4)、にんにく(1欠片)、塩コショウ(少々)
こんにゃくは薄切りにし、表面に格子状の筋を入れ、軽く塩コショウで味を付けます。次にフライパンでバターを温め、輪切りにしたにんにく入れ、じっくりと炒めます。続いてこんにゃくを並べ、両面焼き上げたら、塩コショウで味を整え、最後にレモンを絞り完成です。
- オメガ3脂肪酸
魚油や植物油に含まれるオメガ3脂肪酸は血の流れをよくしたり、抗アレルギー作用効果が期待できたりと今話題の成分です。
オメガ3脂肪酸を多く含む食べ物
まぐろ
魚からオメガ3脂肪酸を摂るならば、まぐろのトロが群を抜いて含量が多いのでおすすめです。オメガ3脂肪酸は熱に弱いので生で食べることをおすすめします。
ほうれん草
何度も登場しているほうれん草ですが、オメガ3脂肪酸も含まれています。魚よりも低カロリーなので、カロリーを気にしている人はほうれん草を選ぶといいかもしれません。
大豆
魚類が食べられないベジタリアンやヴィーガンの方でも大豆からオメガ3脂肪酸をとることができます。納豆などの大豆製品にも含まれています。
亜麻仁油
オメガ3脂肪酸の代表格といっても過言ではない亜麻仁油は積極的に体に取り入れたい油です。ただし熱に弱く、酸化しやすい性質があるので開栓後は早めに使い切りましょう。
おすすめのレシピ
熱に弱い性質をもつので、とにかく火を通さないで食べることが重要です。手軽に摂取することができる亜麻仁油をベースにご紹介します。
ほうれん草のお浸し亜麻仁油がけ
材料 ほうれん草(1房)、亜麻仁油(大さじ1)、だし醤油(小さじ2)
ほうれん草を茹で、適度な大きさにカットし、ほうれん草のお浸しを作ります。その上に亜麻仁油とだし醤油をかけて完成です。
亜麻仁油をスプーン1杯なめる!
スプーン1杯の亜麻仁油をなめるだけで1日に必要なオメガ3脂肪酸を摂取することができるといわれています。酸化しやすい性質を持つので、開栓後なるべく早く使い切るためにも、毎日1杯ずつなめるといいかもしれません。
毎日の食卓にプラス1品
シミやお肌によい栄養や食材が分かったとしても、仕事が忙しかったり、外食の機会が多かったりして、なかなか思うように日々の食生活に取り入れられないこともありますよね。逆にそのことがストレスになってしまっては意味がありません。まずはがんばり過ぎず自分のペースではじめてみてはいかがでしょうか。おすすめは毎日の食卓に一品シミやお肌によいものを加えること。大切なのは意識をすることです。身体の中から改善するということは、日々の積み重ねが肝心です。継続できるシミ改善によい食生活を心がけましょう。


この記事の監修者
ドクター小池クリニック 院長
小池佳嗣 先生