汗とニオイのお作法

汗とニオイのお作法

2018年7月4日

この記事の監修者
薬剤師・アロマセラピスト
三矢朝美 先生

平年よりも梅雨明けが早く、毎日30℃を越える暑い日が続きますね。汗ばむ季節の到来ですが、ニオイ対策は万全ですか?実は女性は40歳を過ぎたころから、汗とともにニオイを発しやすくなります。自分の体臭は気づきにくいので、日頃から気を配りたいものです。汗とニオイをしっかり抑えて、気持ち良い夏を過ごしましょう!

女性のニオイが強くなるわけ

女性も年齢を重ねると強くなるニオイ。実はいくつかの原因が重なって起こっています。

①女性ホルモンの低下
女性の美や若さに関係が深い女性ホルモンにはニオイを抑える働きがありますが、女性ホルモンは20代後半をピークに、30代後半から減少します。女性ホルモンが減少すると身体を錆びつかせる活性酸素が増えるため皮脂が酸化し、加齢臭の元となる「ノネナール」という物質が発生します。加齢臭は主に、耳の後ろやTゾーン、頭皮、胸元、背中から発生し、「新聞紙のニオイ」「ろうそくのニオイ」「チーズのニオイ」などと表現されます。

 

②更年期
女性の場合、ホルモンバランスが崩れ心身が不調になる更年期障害によっても、ニオイが現れることがあります。加齢臭の原因が酸化した皮脂なのに対して、更年期障害によるニオイは、汗が原因です。更年期には顔がほてって汗がドバッと噴き出す「ホットフラッシュ」という現象が起きますが、これは、自律神経の乱れによって汗腺の調節機能が乱れ、運動していないのに汗が出てきたり、汗が一気に噴き出したりしてしまうのです。更年期の発汗は、運動したときにかくサラッとした汗と違って、濃度が高くベタベタしています。ベタベタした汗は蒸発しにくく体表面に留まるため、雑菌が繁殖しニオイを発しやすくなります。

 

③汗腺の退化
汗腺は体表面に点在し体温を一定に維持するために、体外の温度に応じて汗を出しています。長時間エアコンのきいた部屋の中にいたり、運動不足で日ごろの発汗が不十分だと汗腺が退化し、汗をかきにくくなります。退化した汗腺がようやくかいた汗はベタベタしていて、不快なニオイを放ちやすくなります。

 

④ストレスや疲労
働く女性に増えているのが、疲れやストレスからくるニオイ「疲労臭」です。疲れがたまると肝臓機能が低下し、体内のアンモニアを分解できなくなりニオイを発生するようになります。それが「疲労臭」です。肝臓機能が低下する原因は、過労やストレスのほか、肥満や過度な飲酒や便秘もあります。

 

⑤ミドル脂臭
主に頭皮(後頭部)、首の後ろから発生するのが「ミドル脂臭」。男性に多いニオイですが、30代以降は女性も要注意。汗に含まれる乳酸が作る「ジアセチル」という物質がニオイのもと。廃油のようなニオイと言われています。

 

今日から始めるニオイ対策

自分では気づきにくい身体のニオイ。でも、満員電車や会議室など、狭い空間に入った時には、周囲の人に気づかれてしまうかも…。大人のエチケットとして、ニオイ対策を心がけましょう。

 

①汗腺機能を高める


汗は本来無臭ですが、汗腺機能が低下すると汗の濃度が高くなりニオイを発生しやすくなります。汗腺の機能を高めるには、入浴が最適です。暑い夏は、汗をかいたらサッとシャワーで流すことも必要ですが、一日の終わりにはしっかりと湯船につかりましょう。入浴の際は、消臭効果が高いと言われている柿タンニンやチャエキスが配合された石鹸などで、ニオイの発生しやすい部位を洗うことも大切です。

また、ウォーキングやジョギングなどでしっかりと汗をかくことも汗腺機能の強化に効果的です。なかなか運動する時間が取れない方は、通勤の帰宅時に一駅前で降りて歩く、自転車を使っていた買い物を徒歩にするなど、取り入れやすい形で始めてみてください。

 

②ニオイを防ぐ食べ物を摂る
食べ物とニオイは、実は深く関係しています。ニオイを発生しやすい食べ物には、「肉類」「ジャンクフード」「辛い食べ物」「にんにく」「アルコール」などが挙げられます。肉類や添加物が多く含まれるジャンクフードは消化に時間がかかるため、体内に吸収される前にニオイの原因となるアンモニアなどの物質が発生し、ニオイを放ちます。辛い食べ物は大量の汗をかきやすくなり、その汗に雑菌が繁殖し、ニオイが発生してしまいます。

ニオイを軽減してくれる食べ物としては、「レモンや梅干しなどの酸っぱいもの」「野菜・フルーツ」などが挙げられます。酸っぱい食べ物には、クエン酸が豊富に含まれています。クエン酸は、汗とともに出る悪臭の元であるアンモニアを消してくれます。

また、ホウレン草やイチゴ、アボカド、キウイフルーツなど、ビタミンCやEを豊富に含む野菜や果物は、ニオイの元となる活性酸素を抑える抗酸化作用があります。ビタミンCやEは、体内の活性酸素を抑制する効果があるため、活性酸素によるニオイを予防してくれます。

 

【抗酸化成分を多く含む食材】

1、ビタミンC…ホウレン草、イチゴ、キウイフルーツ

ビタミンCは、水に溶けやすく熱に弱いので、生の状態で摂るのがおすすめです。

 

2、ビタミンE…ナッツ類、アボカド、まぐろ

アボカドは非常に栄養価が高い食べ物で、強力な抗酸化作用をもつビタミンE、ビタミンC、ビタミンAを豊富に含んでおり、高い抗酸化作用が期待できます。

 

3、ポリフェノール…チョコレート、緑茶、コーヒー

チョコレートの原料であるカカオ豆に含まれる「カカオポリフェノール」は、身体のサビに働きかける抗酸化成分。ダークチョコレートやココアに多く含まれます。また、身近な食品にも、ポリフェノールは存在します。緑茶にはポリフェノールの一種カテキンが、コーヒーにはポリフェノールの一種クロロゲン酸が豊富に含まれています。


4、リコピン…トマト、スイカ、アスパラガス

リコピンはビタミンEの100倍以上の抗酸化作用をもつと言われています。リコピンを豊富に含む食材がトマトです。一般的には完熟度が高いほどリコピンが豊富に含まれていますので、完熟した野菜や果物を摂取するようにしましょう。

 

5、ゴマリグナン…ゴマ

ゴマに含まれる抗酸化物質「ゴマリグナン」は、脂質の酸化を防ぐ働きがあります。また、ホルモンバランスを整える作用もあり、更年期障害を改善する効果が期待されています。その他「セサミン」「セサミノール」など、抗酸化成分を豊富に含みます。

 

③消臭機能があるものを取り入れる
汗を抑え消臭するものとして身近な存在なのが、制汗剤です。制汗剤は、運動をして汗をかいたあとなどに使いがちですが、汗をかく前に使用することで高い効果を期待できます。朝シャワーを浴びた後や外出前などに使用しましょう。また、汗をかいた後に塗り直したい場合は、濡らしてかたく絞ったタオルなどで汗を拭きとってから使用してください。制汗剤は毛穴をふさいだり、かゆみを引き起こしたりする場合がありますので、帰宅後はシャワーなどでしっかりと洗い流しましょう。

最近では、汗をかいてもすぐに乾く吸汗機能や、ニオイの元を消す消臭機能などがついたインナーも出ています。夏は暑いためインナーを避けがちですが、汗を吸収してくれるインナーを着用したほうが、ニオイを防ぐことができます。上手に活用しましょう。

 

生活が不規則だったりストレスが溜まっていたりすると、30代からニオイに悩まされることも。ニオイ対策で一番有効なのはやはり、生活習慣を整えること。食事に気を付けて、ストレスのない規則正しい生活を送るのが理想です。これからどんどん暑くなるので、ニオイ対策をしっかり取り入れて、爽やかな毎日を目指しましょう!