睡眠不足はお肌の大敵!ゴールデンタイムを大切にして寝過ぎに注意を

睡眠不足はお肌の大敵!ゴールデンタイムを大切にして寝過ぎに注意を

この記事の監修者
ドクター小池クリニック 院長
小池佳嗣 先生

トラブル知らずの肌になるためにも、睡眠は大切です。しかし、ただ長時間寝れば良いというわけではありません。また、「夜10時から午前2時までのゴールデンタイムに寝ないと意味がない」と考えている人が多いかもしれませんが、実はそれも少し違うといわれています。睡眠時間の長さや就寝時刻も大切ですが、何より求められるのは眠りの質です。

この記事では、良質な睡眠をとるために知っておきたいポイントをご紹介します。

睡眠と肌の深い関係とは

就寝中に分泌される成長ホルモンは、肌の正常なターンオーバーを促し、美しい肌をつくり出します。まずは、睡眠と肌の関係についてご説明します。

  • 睡眠と肌の関係

脳や体の疲労は寝ているうちに回復し、その機能が修復されます。もちろん、肌の修復も就寝中に行われています。睡眠中に分泌される成長ホルモンが皮膚細胞の細胞分裂を促すことにより、肌は再生します。

こうした肌の修復や再生は血液を通して行われます。しかし、起きて活動している間は脳やほかの重要な器官に血液が集まるため、肌への栄養供給はおろそかになりがちです。そのため、寝ることによって体中に血液を回し、日中の栄養供給不足を補います。

また、成長ホルモンは入眠直後のノンレム睡眠(深い眠り)のときにたくさん分泌されるので、肌を修復するには熟睡が必要です。

 

  • 睡眠は肌のターンオーバーにも重要

「ターンオーバー」とは、肌が生まれ変わることや、肌の新陳代謝を指す言葉です。

肌は3つの層から成り立ち、表面から順に、表皮・真皮・皮下組織で構成されています。ターンオーバーは、そのうちの表皮で行われます。

表皮はさらに4層に分けられます。最も真皮に近い基底(きてい)層で表皮細胞が生まれ、その細胞が姿を変えながら、徐々に上の3層に押し上げられていく一連の流れがターンオーバーです。表皮の中で外側に接する層が角質層で、押し上げられた皮膚の細胞は角質となり、やがてあかとなって剥がれ落ちます。シミの元になる色素もこのときに排出されるため、ターンオーバーがしっかり機能していればシミを防ぐことも可能です。

ターンオーバーは体の部位や年齢によって周期が異なり、28~45日程度で完了します。20代半ばまでは28日周期で、30~40代になると45日程度かかるといわれています。加齢により身体機能が衰えるように、肌の細胞の再生機能も低下するため、周期が遅くなります。エイジング対策用の化粧品には、加齢とともに少なくなるセラミドなどの成分が配合されていて、ターンオーバーの周期を早めるように働きかけます。

しかし、ターンオーバーは早ければ早いほど良いというわけではありません。ターンオーバーが早すぎると、未成熟な皮膚が表面に出てしまうからです。そのため、肌のターンオーバーが規則正しく行われることが、美しい肌を保つ上では大切です。

肌のターンオーバーを乱す原因に、加齢・食生活の乱れ・ストレス・睡眠不足があります。睡眠時間が不足すると成長ホルモンがうまく分泌されず、肌のターンオーバーが乱れます。ターンオーバーの乱れが慢性的になると、くすみやシワ、しみ、乾燥などの肌トラブルにつながります。

 

不規則な睡眠が肌トラブルの原因に

睡眠不足がターンオーバーの乱れにつながるからといって、長時間眠れば良いわけではありません。不規則な睡眠は体に良くないということはわかっていても、どうして悪いのか理由を知らない人は多いのではないでしょうか。

 

  • 睡眠不足と寝過ぎはどちらもNG

睡眠不足だけでなく、寝過ぎも体の不調につながります。特に、平日の睡眠不足を解消するために休日にまとめて睡眠をとる人は、自律神経やホルモンバランスが乱れる傾向にあるので注意が必要です。

睡眠不足の状態と長時間の睡眠を繰り返す不規則な生活をしていると、起きている間に優位になる交感神経と、睡眠時に優位となる副交感神経のスイッチの切り替えがうまくできなくなります。すると自律神経が乱れ、結果としてホルモンバランスが乱れます。

ホルモンバランスが崩れると、成長ホルモンがきちんと分泌されないだけでなく、美肌ホルモンと呼ばれるエストロゲンの分泌も減少します。エストロゲンは女性らしい体をつくるホルモンです。分泌されることによって肌に弾力を持たせたり、潤いを与えたりします。つまり、睡眠のリズムが崩れるとターンオーバーが乱れて、ハリのない乾燥肌にもなるおそれがあります。

また、寝過ぎると長時間同じ体勢でいるため、血行不良になる可能性もあります。血行不良は疲労回復を妨げ、起床時のむくみや肌のくすみ、目の下にできるくまの原因にもなります。

このように、睡眠不足と寝過ぎのどちらも、体に悪影響を与えることがわかります。

 

  • 不規則な睡眠がもたらす肌トラブルとは

睡眠不足と寝過ぎを繰り返す不規則な睡眠は、多くの肌トラブルとなって顔に現れます。

ホルモンバランスが乱れると、女性でも男性ホルモンの分泌が多くなります。その結果、皮脂の分泌量と肌の角質が増え、ニキビを招く原因となります。

また、不規則な睡眠は、ホルモンバランスとともに体内時計も乱します。体内時計のリズムを整えているのはメラトニンというホルモンで、別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。メラトニンは光を浴びると分泌が減少し、暗くなると増えるホルモンで、夜になったら体が休息できるように眠気を発生させます。

しかし、メラトニンは目から入ってくる強い光にも反応します。そのため、例えば夜遅くまでスマートフォンの画面を見ていると、ブルーライトの強い光により、メラトニンの分泌が抑制されます。メラトニン不足で体内時計が乱れると、心身共に疲弊するだけでなく、メラトニンが持つ抗酸化作用も機能せず、肌の老化を防げなくなります。つまり、メラトニン不足がシミやしわをつくる原因の一つになる可能性があるのです。

 

リラックスして迎えたい肌のゴールデンタイム

睡眠の質を上げるために、可能な限りの努力をしてみましょう。毎晩の積み重ねが、美肌へと導いてくれます。

 

  • 肌のゴールデンタイムとは

成長ホルモンが最も多く分泌される時間帯は「ゴールデンタイム」と呼ばれています。これまでは夜10時~午前2時までがゴールデンタイムに該当し、肌が再生に向けて最も活動する時間帯といわれてきました。

しかし、近年は「夜10時~午前2時という時間帯はあまり根拠がない」という説も出ています。昔に比べて夜10時に就寝できる人が減ってきたこともあり、就寝する時間帯にとらわれない考え方です。この説では、入眠後の3~4時間が最も成長ホルモンが分泌されるゴールデンタイムといわれています。

睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)があり、眠っている間にその2つが交互に訪れます。成長ホルモンが分泌されるのはノンレム睡眠のときで、特に入眠後3時間に起こるノンレム睡眠は眠りが深く、成長ホルモンの分泌が盛んになります。そのため、眠り始めの3時間における睡眠の質を高めることが、肌の健康を保つ鍵になります。

 

  • 入眠前のひと工夫が美肌をつくる

眠る前に少し工夫すると、より質の高い睡眠をとることができます。

まず大切なのは、副交感神経が働きやすい環境をつくることです。例えば、部屋を暗くしたり、瞑想したりするのが効果的です。就寝前は入浴や軽いストレッチを行うと副交感神経が優位になり、リラックスできます。

また、就寝前に保湿成分が配合された基礎化粧品で肌を整えるのも、肌のターンオーバーを助けてくれます。

コップ1杯の水(常温または白湯)を飲むことも有効です。就寝前に水分をとるとむくみが気になるかもしれませんが、人間は寝ている間に汗をかきます。水分を少し補給することで体が潤い、血液の流れが良くなります。血行を良くすることによって、血液の流れに乗せて成長ホルモンを全身に届けられます。

 

美肌をキープするためには十分な睡眠が不可欠

睡眠は生命の営みの基本です。どんなに高級な良いコスメを使っていても、寝不足続きで不規則な生活をしていれば、肌トラブルとは決別できません。逆に、毎晩きちんと良質な睡眠をとっていれば、美しい肌をキープできます。

今日からでも「ゴールデンタイム」を意識して快眠生活を実践し、若々しい美肌を手に入れましょう。


この記事の監修者
ドクター小池クリニック 院長
小池佳嗣 先生