シートマスクとは、美容成分が含まれたフェイスパックで、肌にうるおいやハリを与える効果があるといわれます。美肌を目指している女性に人気が高く、美容系の口コミ情報サイトでも、よく話題になっています。
スキンケアに力を入れている女性の中には、シートマスクを日常的に使っている人もいるでしょう。では、シートマスクの効果を最大限に引き出すにはどのような使い方が良いのでしょうか。
今回はシートマスクの効果を引き出すポイントと、正しい使用方法をご紹介します。
シートマスクは毎日使用してもOK?
シートマスクは、コンビニなどで購入できるお手頃価格のものから高価なタイプまで幅広く商品がそろっています。ただ、手に入りやすいからといって、毎日使用しても肌に問題はないのでしょうか。
- シートマスクに使用されている成分とは
シートマスクとは、肌に密着するタイプのシート状のフェイスパックのことで、シートには美容液がしみ込ませてあります。シートマスクに含まれる成分やエキスは使用目的によって異なり、目的に合った製品を使うのがおすすめです。
以下、シートマスクに含まれる主な成分と効果をご説明します。シートマスクを選ぶときの参考にしてみてください。
・うるおい、ツヤがある肌
セラミド
肌の角層細胞の隙間を埋めたり、水分をつないだりする役割を持っている細胞間脂質で、人間の肌に必ずある成分です。肌の保湿やキメを整えるほか、乾燥肌になるのを防いだり刺激から肌を守ったりするバリア機能などがあります。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は人の体にもともとあるムコ多糖類という成分で、水分を肌にとどめる役割があります。そのため肌の保湿のほか、弾力を保って、たるみやシワを防いでくれます。
・ハリ、弾力がある肌
EGF
53種類ものアミノ酸からなるたんぱく質で、細胞機能を整えたり成長を促したりする成分です。肌のターンオーバーを促進し、古い角質を排出させて新陳代謝をアップさせる効果があるといわれます。
プラセンタ
哺乳類の胎盤から抽出した成分です。たんぱく質・糖質・脂質の三大栄養素をはじめ、ビタミンやミネラルなど、栄養素がバランス良く含まれています。
肌への効果としては、紫外線によってできたシミやシワを改善し、新陳代謝を上げて肌のハリをよみがえらせることが挙げられます。
プロテオグリカン
サケの鼻軟骨などから抽出される成分で、たんぱく質に糖の塊がつながった形をしています。吸水性や保水力が高いため、肌にうるおいを与える効果があるといわれます。
・ニキビがない肌
ビタミンC
体内で合成できない水溶性ビタミンの一種で、野菜や果物などに含まれている成分です。肌に弾力を与えるコラーゲンを生成したり、ターンオーバーを促進してメラニンなどの老廃物を排出させたりする効果があるとされます。なお、ビタミンCは美白にも効果的とされます。
フラーレン
炭素のみから構成される成分で、サッカーボールのような形をしています。抗酸化作用が強く、メラニン色素を防いだり活性酸素を除去したりして、肌の表面を整える効果があるといわれます。
・美白
アルブチン
ブドウ糖と美白成分のハイドロキノンが結合されたもので、梨などに含まれる「αアルブチン」、ツツジ科のハーブに含まれる「βアルブチン」の2種類があります。
メラニンの生成を抑え、肌のくすみやシミを防ぐなど美白に良いといわれます。
ハイドロキノン
イチゴなどに含まれる美白成分で、酸化を防止する還元化作用を持っています。皮膚の表皮にできるそばかすやシミを防いだり薄くしたりする効果があります。
- 毎日使用してもOK?
顔に貼るだけという手軽さから、シートマスクを毎日使用している人も多いようです。特に、低価格のシートマスクは気兼ねなく使えるため、毎日のお手入れに欠かせないという人もいるでしょう。しかし、毎日使っても肌に悪い影響はないのでしょうか。
実は、シートマスクの使用頻度については、美容医療の専門家の間でも「毎日派」と「1週間に1回派」に意見が分かれています。「毎日派」の理由は、「シートマスクは美容成分を多量に含んでおり、美容液の代わりになるから」というものです。一方「1週間に1回派」は、「毎日の使用は、肌の角質をふやかしたり栄養を与え過ぎたりして、肌に逆効果になる恐れがある」といいます。
シートマスクはたくさんの製品が販売されており、推奨される使用頻度は製品によって異なります。毎日使っても良いものから、週1回程度のスペシャルケア用までさまざまです。基本的には、製品に記載されている説明通りに使用することが大切です。
シートマスクの効果を引き出す2つのポイント
シートマスクは、使うタイミングや貼っている時間の長さに気を使うと、より効果が上がります。ここでは、シートマスクの効果を最大限に活かすポイントを知っておきましょう。
- 装着のベストタイミングはいつ?
・入浴後がベスト
シートマスクは入浴後に使いましょう。入浴後は肌の汚れが落ちている上、肌が温まって毛穴が開いているため、美容液が浸透しやすい状態だからです。
・入浴中はNG
入浴中にシートマスクを使っている人がいるようですが、効果的な使い方ではありません。入浴中は毛穴が開いた状態ですが、発汗もしています。シートマスクを貼っても美容成分が汗と一緒に流れてしまうため、肌に十分浸透しません。
- 装着時間は厳守しましょう
「シートマスクは長時間貼ったほうが、より効果が出るのでは?」というイメージがあるかもしれませんが、実は違います。むしろ、使用時間が長いとシートマスクが乾いてしまい、肌の水分を吸収し始めるという「逆効果」が生じます。そのため、決められた使用時間を必ず守りましょう。
また、シートマスクを使っていて肌にピリピリと刺激を感じたら、無理をせずいったん使用をやめてください。シートマスクに含まれる成分が、肌に合っていない可能性があります。
前後のケアも忘れずに!シートマスクの正しい使い方
せっかくシートマスクを使用しても、肌の前後のケアが適切でなければ、逆効果になってしまうかもしれません。ケアを含めた正しい使用方法を覚えておきましょう。
- シートマスクを使うときの手順
1.クレンジング、洗顔
肌が汚れた状態でシートマスクを貼ると、美容液を肌に浸透させるのが難しくなります。シートマスクを使う前にはしっかりとメイクを落として洗顔し、肌を清潔な状態にしておきましょう。
2.化粧水
化粧水の成分が含まれているシートマスクもありますが、主な配合成分が美容液のシートマスクを使う場合は、使用前に化粧水で肌を保湿してから、シートマスクを貼りましょう。
3.シートマスクを装着する
説明書や商品に記載されている使用時間に注意し、シートマスクを貼ります。より保湿効果を高めたいときは、シートマスクの上からラップを巻くと美容成分の蒸発を防ぐことができます。
4.保湿 乳液、クリームをつける
シートマスクをはがしたら、必ず乳液や美容クリームをたっぷりつけましょう。油分で肌を保湿し、シートマスクの美容成分を閉じ込める効果があります。乳液や美容クリームをつけないと、肌の乾燥につながります。
- 目元、口元のケアを忘れずに
シートマスクの大半は、目元と口元が開いたタイプになっています。その部分にはシートマスクの美容成分は浸透しないため、空いた部分を放置していると乾燥することがあります。
目元・口元は、シートマスクを使用する前に乳液やクリームを事前に塗っておき、乾燥を防ぎましょう。
正しい使用方法でシートマスクの効果を高めよう!
シートマスクは適切に使用することで、肌を保湿してしっとりとした状態に整えてくれる秀逸なアイテムです。使用方法もシンプルなので、忙しい人でも使いやすいのが魅力です。
ただし使い方を間違えると、十分な効果が得られないだけでなく、逆に肌にダメージを与える恐れがあります。求める効果を意識して肌に合った成分入りの製品を選び、正しい方法で使いましょう。


この記事の監修者
ドクター小池クリニック 院長
小池佳嗣 先生