水中ウォーキングダイエットは、気軽に続けやすいダイエット方法の一つです。プールの中を歩くだけでカロリーを消費できる方法のため、泳ぐのが苦手な人も始められます。
陸上で行うウォーキングにはないメリットもありますが、歩き方などポイントを意識して続けないと、ダイエット効果は得られません。
この記事では、水中ウォーキングダイエットを始めるメリットや効果、基本の方法と応用をご紹介します。
水中ウォーキングダイエットの基礎知識
ほかのダイエットとは異なり、水中ウォーキングダイエットにはどのようなメリットがあるのでしょうか。得られる効果と併せて見ていきましょう。
- 水中ウォーキングダイエットとは
屋内プールなどの水中でウォーキングを行い、脂肪燃焼や筋力アップを図る運動のことです。水中は浮力が働いて地上を歩行するよりも体にかかる負担を軽減できることから、水中ウォーキングは病後やけがの回復を図るためにリハビリの一環としても行われています。
- 水中ウォーキングダイエットの効果
・カロリー消費
水中ウォーキングダイエットは、陸上で行うウォーキングよりも効率よくカロリーを消費することができます。水中では水の抵抗に逆らって動くため、陸上を歩くよりも筋肉を使わなければならず、カロリー消費量が増加するからです。また、体温よりも少し低めの温度の水につかることで、体が体温を維持しようと働き、代謝が上がります。
・水圧でむくみ解消
水中では全身に水圧がかかるので、リンパの流れが改善され、むくみ解消にもつながります。水圧は水の深さに比例して大きくなります。そのため、足には最も大きな水圧がかかります。
水中ウォーキングはデスクワークや家事などで足のむくみや血行不良が気になる人にもオススメの運動です。
- ウォーキングダイエットのメリット
・消費カロリーが高い
水中ウォーキングは、陸上で行うウォーキングと比較すると2倍のカロリーを消費できます。ゆっくりと進んでいるように見えても、水の抵抗を全身に受けているため、体にかかる負荷は大きくなります。
・ひざや腰などの関節への負担が少ない
浮力が働く水の中では体への負担が軽減できることも、水中ウォーキングダイエットのメリットです。特に、ひざや腰などへの負荷を軽減できるため、関節に不安を抱えている人でもチャレンジできます。
水中ウォーキングダイエットの基本
水中ウォーキングダイエットは正しいフォームで歩くことが重要です。基本のウォーキングの仕方と、効果的に行うポイントをご紹介します。
- 基本のウォーキング
水中ウォーキングダイエットは、胸を張ってまっすぐ前を向いて歩くことが基本です。下を向いたり、背筋が曲がったりしないように意識して歩きましょう。慣れるまでは、普段の歩幅でゆっくりと歩いてください。30分以上続けると脂肪燃焼効果が期待できるため、まずは30分を目標に始めてみましょう。
- ポイント
・正しい姿勢をする
水中を歩くときは、背筋を伸ばして胸を張り、大きく腕を前後に振りましょう。浮力や水の抵抗がある水中では、バランスをとって歩くことが難しくなります。正しい姿勢で歩くことが大切なので、慣れるまでは、ゆっくりとしたスピードで基本のフォームを身につけるよう意識しましょう。
・時間は30分から徐々に増やす
初めのうちは30分以上を目標とし、慣れてきたら徐々に増やして1時間程度を目指しましょう。続けることが成功の秘訣なので、体を少しずつ慣らしていってください。
・浅いところから深いところへ
最初から深いところで歩こうとすると、水の抵抗でうまく歩けなかったり、歩幅が小さくなったりして正しいフォームで歩行できず、脂肪燃焼につながらないことがあります。最初は浅いところで体を慣らし、正しいフォームで歩けるようになったら、深いところで行うようにしましょう。
・大きく、素早く動く
水中ウォーキングは、大きく、素早く動くことでインナーマッスルが鍛えられ、ダイエット効果を実感しやすくなります。水中では動きが速くなるほど水の抵抗が大きくなるからです。体への負荷を増やしてダイエット効果を高めたいなら、ダイナミックに動くことをおすすめします。
・頻度は週2~3回
水の中を歩くことに慣れたら、30分以上のウォーキングを週2~3回、習慣的に行うようにしましょう。体に支障のないペースで行うことが大切です。
・続けることが大切
どんなダイエットも継続して行うことで効果が得られます。水中ウォーキングダイエットも3カ月以上続けると効果を感じやすくなりますので、まずは3カ月を目指して続けてみましょう。
応用編:気になる部位別ウォーキング
水中ウォーキングダイエットは、歩き方を工夫すると気になる部分を効率よくシェイプアップすることができます。部位別に効果を発揮する歩行方法をご紹介します。
- 【骨盤のゆがみを解消】レンジウォーキング
・方法
1. 肩が水中につかるくらい姿勢を低くし、足を大きく踏み出す。
2. 両腕は前後に大きく振る。
3. 踏み出した足の膝を曲げてアキレス腱を伸ばし、股関節がしっかり開くように大股で歩く。最初はゆっくりと行い、慣れてきたら少しずつスピードを上げる。
・効果
股関節を伸ばすことで仙腸関節をほぐし、骨盤のゆがみを調整する効果が期待できます。
また、浮力が腰にかかる負担を軽減し、足を大きく踏み出すことで大腰筋が鍛えられるため、腰痛の改善にも効果的なウォーキングです。リハビリにも使われています。
- 【股関節を鍛える】マーチング
・方法
1. 行進をするように、膝をなるべく高く持ち上げる。
2. 上半身は少し前に倒しながら、腕は前後に大きく振って前進する。
・効果
水の抵抗を受けながら足を高く持ち上げて歩くことで、股関節が強化されます。また、お尻周りのシェイプアップにもつながります。
- 【ウエストの引き締め・ヒップアップ】ニーアップウォーキング
・方法
1. 足を外側へ直角に持ち上げ、内側へ弧を描くように前へ運び、ひざを曲げて大きく踏み込む。
2. 踏み込んだ足と反対側の腕を、水をかくようにして前に動かす。
3. 反対側も1~2と同様に行い、前進していく。
・効果
股関節が鍛えられ、お尻周りのシェイプアップ効果が期待できるウォーキング方法です。また、腰をひねりながら歩くので、ウエストの引き締めにも効きます。
- 【二の腕、お尻を引き締める】サイドウォーキング
・方法
1. プールの進行方向に対して横向きになって立ち、腕は体の前でクロスする。
2. 足と腕を左右に大きく開き、しっかりと踏み込みながら、横歩きの状態で進む。
・効果
腕を横に大きく振って歩くため、二の腕を鍛え、引き締める効果があります。また、体全体をツイストさせて歩くことで下半身とお尻のシェイプアップにも有効です。
基本ができるようになったら、異なるフォームに挑戦を
「疲れを感じやすいダイエットはなかなか続かない」という人も、浮力によって体の負担を感じにくい水中で行うダイエットなら、無理なく続けて痩せることができるでしょう。また、水中ウォーキングのさまざまなフォームをマスターすると、効率的に脂肪燃焼を図ることができます。気になる部位に効くウォーキングのフォームを組み合わせれば、効率よくダイエットを進められるでしょう。
ダイエットの成功に向けて、水中ウォーキングの習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。


この記事の監修者
トータルケアサロン La-mahina 代表
柴田桂 先生