アフタヌーンティーのマナーと食べ方|優雅な午後のひと時のために

アフタヌーンティーのマナーと食べ方|優雅な午後のひと時のために

2018年2月20日

イギリス発祥の習慣で、紅茶と一緒に軽食やお菓子を味わう「アフタヌーンティー」。日本でも女性を中心に人気で、高級ホテルやカフェ、ラウンジなどで楽しんでいる人の姿が見られます。近年はSNSでアフタヌーンティーの様子を紹介する人も多く、それだけ一般的に浸透してきているといえますが、一方で今も「難しいマナーが多くてハードルが高そう」と感じている人も多いのではないでしょうか。

今回は、アフタヌーンティーを気軽に楽しむための基礎知識やマナーについてご紹介します。家族や友人と一緒にアフタヌーンティーで優雅なひと時をお過ごしください。

英国の貴族が生んだアフタヌーンティーとは

アフタヌーンティーは、イギリスの上流階級文化の一つでした。それが市民にも普及し、近年のイギリスでは紅茶を楽しむ習慣として広く生活に根付いています。

  • アフタヌーンティーとは

アフタヌーンティーは、17世紀以降に東洋の珍品であったお茶がイギリスの宮廷内に伝わったことで流行しました。英国の貴族たちによるアフタヌーンティーは、教養や礼儀作法、センスなどが重視され、室内の装飾や花、家具にいたるまでこだわった、上流階級ならではの華やかで上品な習慣でした。主に社交の場で用いられており、当時は高級品だった砂糖を入れて飲むことが贅沢だったとされています。

日本では、明治時代の後期に東京・京橋の明治屋が紅茶を初めて輸入したと言われています。当時は、まだ限られた人にしか広まっていませんでしたが、ハイカラな文化を好む人々に好まれていました。しかし、そのときに飲まれていた紅茶は日本風のもので、レモンやミルクを入れた飲み方が日本で知られるようになったのは最近のことです。

現代の日本では、高級ホテルやカフェなどで本格的なアフタヌーンティーを楽しむことができます。

  • アフタヌーンティーで会話を楽しむコツ

アフタヌーンティーの目的は、紅茶と料理、そして会話を楽しむことです。かつては社交の場だったため会話も教養あふれる知的な内容が中心でしたが、現代では特にルールはありません。政治や宗教、悪口、自慢話などは避け、同席者と和やかに過ごせるような会話を心掛けましょう。

 

アフタヌーンティーのお菓子や料理の種類

アフタヌーンティーの料理といえば、3段のケーキスタンドに盛られたものを思い浮かべる人が多いでしょう。香り高い紅茶やケーキスタンドの鮮やかなティーフーズは、見ているだけで心が躍ります。

  • アフタヌーンティー(フルティー)

一般的なアフタヌーンティーは「フルティー」とも呼ばれます。アフタヌーンティーが生まれたヨーロッパでは、夜に催されるオペラやクラシックコンサートなどが盛んでした。閉演後の夕食は時間帯が遅くなり、昼食から夕食までの時間が長く空くため、上演中に空腹になってしまいます。そのため、ステージを見る前の軽食として、紅茶と一緒にケーキやスコーン、サンドイッチなどを楽しみました。

  • ハイティー

アフタヌーンティーは、低い(low)テーブルがある客間や居間などで提供されていたため、別名「ローティー」とも呼ばれていました。その習慣と比較して、高い(high)テーブルでお茶をいただくことを「ハイティー」と言います。

ハイティーは、アフタヌーンティーより遅い17~18時ごろに行い、夕食としての意味合いが強いものです。そのため、テーブルには軽食やお菓子だけではなく、肉料理や魚料理、サラダ、チーズ、フルーツなども並びます。

ハイティーはもともと、農民や労働者階級の暮らしから生まれました。ハイティーの「ハイ」は、食事をするメインの「ハイテーブル(ダイニングテーブル)」が由来です。

現代ではアフタヌーンティーの一つとして優雅な雰囲気でハイティーが出されることも多く、軽食が盛られた3段のケーキスタンドにメイン料理、紅茶のほか、スパークリングワインなどのお酒を提供するレストランもあります。

  • ケーキスタンドの料理

ケーキスタンドの各段には、アフタヌーンティーならではの軽食がのっています。最上段にはケーキ(ペストリー)などの甘いデザート、中段にはスコーンや温料理、最下段はサンドイッチがあります。

なお、ケーキスタンドは狭いテーブルを有効活用するために使われており、広いテーブルで食すときには本来使わないのがルールです。

 

アフタヌーンティーを優雅に楽しむためのマナー

アフタヌーンティーにはいくつかのマナーがあります。イギリスの伝統文化を学びながら、おいしい料理や紅茶を堪能しましょう。

  • 服装

格式が高く華やかなイメージのあるアフタヌーンティーは、一見身だしなみのルールが厳しそうですが、実際は厳密なドレスコードはありません。しかし、肌を露出しすぎている服装やサンダル履きなど、ラフすぎる格好は好ましくないでしょう。特に、高級ホテルなどのあらたまった場所では、ある程度おしゃれをしたほうが、同席する相手やお店に配慮している上、自分も心地よくいられます。お店がドレスコードを決めていなければ、スマートカジュアルで十分です。

飲食時はソファに座ることが多いため、スカートを着用するときは膝が出ない程度の丈にするのがおすすめです。ドレスコードや店内の雰囲気などについて、事前にお店に確認をしておくと安心でしょう。

  • ティーフーズを食べる順番

3段のケーキスタンドに美しく盛り付けられたティーフーズを見ると、好きなものを最初に食べたくなるかもしれません。しかし、正式には下の段に盛られたものから順番に食べるのがマナーです。最初に下の段のサンドイッチ、次に中段のスコーンなど甘くないものを食べ、最後に上段のスイーツで締めます。

気心の知れた人と一緒なら、順番を気にせずおいしく食べても構いません。

  • 料理別の正しい食べ方

・お茶

お茶を飲むときは、カップとソーサーを使います。砂糖やミルクを混ぜるのに使ったティースプーンは、カップの奥に置くことでじゃまにならず上品に飲めます。

カップは持ち手をつまむようにして片手で持ちます。ただし、座ったときにテーブルが低く、体との距離が開いてしまう場合は、ソーサーも一緒に持ち上げましょう。

お代わりをする場合はカップのみを手渡し、スタッフに注いでもらいます。

お茶は、1杯目と2杯目の味の違いを比べてみましょう。ティーポットには茶葉が入ったままなので、2杯目は茶葉の渋みが増しています。ミルクをたっぷり入れると味わいがまろやかになるため、1杯目はストレートで、2杯目はミルクを入れて違った風味を感じましょう。

・サンドイッチ

ケーキスタンドからナイフとフォークを使ってサンドイッチを取り、一度お皿に置きます。ひと口サイズの場合はそのまま手で食べます。ひと口で食べきれない大きさの場合は、ナイフで切ってから、フォークで刺して食べましょう。

複数のサンドイッチを一度にお皿に取るのはマナー違反です。

・スコーン

スコーンは、手でひと口サイズに割ってそのまま食べます。ナイフとフォークを使って切ったり、直接かじったりするのは避けましょう。手で割るときは、テーブルを汚さないように気を配るのがスマートです。

添えられているクロテッドクリームやジャムを付ける場合は、備え付けのスプーンで自分のお皿に必要な分を取ってから、スコーンに付けて食べるのが正しいマナーです。

・ケーキ

三角形のケーキは、先のとがったほうからひと口ずつフォークで切って食べます。円形のケーキは手前からフォークを入れてカットしましょう。ミルフィーユなど倒れやすく切りにくいものは、横に倒して切り分けて食べても大丈夫です。食べ終わったあとの皿の上のかけらは一カ所に集めておきましょう。

 

  • ナプキンの使い方

ナプキンは、オーダーを済ませたあとに膝の上に広げます。オーダー前から広げると、せっかちでお腹が空いているように思われてしまいます。

中座するときは、ナプキンを軽くたたんで椅子の上に置きます。口元を拭きたいときはナプキンの内側で抑えるように拭きましょう。食後は軽くたたんで机の上に置きます。きれいにたたむと、「料理がおいしくなかった」という意味に取られるので注意が必要です。

 

マナーを身につけて英国流の上品なティータイムを

ケーキスタンドに盛られたティーフーズは、見ているだけで幸せな気持ちにさせてくれます。高級ホテルやレストラン、カフェなどでは、季節の素材を使った美しい料理に出合えるでしょう。

イギリスの伝統文化であるアフタヌーンティーには、ある程度のマナーや気遣いが必要ですが、最低限の常識さえ守っていれば、大切な人とおいしく味わうのが一番です。ぜひ、おしゃれをしてアフタヌーンティーを満喫しましょう。