ブルーライトが放つ強い可視光線の悪影響とは?スマホ使用時の注意点

ブルーライトが放つ強い可視光線の悪影響とは?スマホ使用時の注意点

この記事の監修者
ドクター小池クリニック 院長
小池佳嗣 先生

スマホ(スマートフォン)やパソコンなどから発せられているブルーライトは、人体にさまざまな影響を与えることが知られています。例えば、睡眠障害を引き起こすことがわかっているほか、目や精神状態にもよくないといわれています。さらには、肌トラブルの原因にもなるといわれており、女性にとっては見過ごせません。

この記事では、ブルーライトが心身に与える影響や、ブルーライトを発する機器を扱うときの注意点と対策などをまとめて解説します。

ブルーライトが体に不調をもたらす原因

ブルーライトについて「体に悪いらしい」ということは知っていても、具体的な性質や正体はわからない人が多いかもしれません。詳細を知れば、対策も講じやすくなります。

まずはブルーライトそのものについてと、体の各部位に与える影響を見ていきましょう。

 

  • ブルーライトとは

ブルーライトは、文字どおり青色の光のことです。しかし、青く見えるものだけがブルーライトではありません。白色の光を放つ太陽や蛍光灯にも、ブルーライトは含まれています。太陽や蛍光灯の光が白く見えるのは、青のほか、黄色や赤など複数の色が混ざっているためです。

 

・ブルーライトの波長

光は波のように伝わり、色によって波長(波の間隔)が異なります。ブルーライトは人間の目で見ることができる光(可視光線)の中で、最も波長が短く、強いエネルギーを持っています。

ブルーライトの波長を数字で表すと、380~500nm(ナノメートル)です。400nmより短い波長の光は紫外線と呼ばれ、シミを発生させる原因でもあります。ブルーライトは、その紫外線に次いで強力なエネルギーを持つ光です。

 

・ブルーライトとLED

近年ブルーライトが問題視されている理由の一つが、LEDの普及です。LEDは太陽光や蛍光灯に比べて、ブルーライトの量が多く含まれています。しかも、パソコンやスマートフォンなどの液晶端末機にもLEDは使われており、ブルーライトが発生しています。そのため、昔に比べてブルーライトを浴びる量は飛躍的に増えています。

 

ただし、ブルーライトの影響については、まだ根拠が明らかになっていないことも多く、現時点では研究段階です。睡眠障害をもたらすという研究結果は報告されていますが、害を与えるだけの光ではないともいわれています。

 

  • ブルーライトが心身に与える影響

ブルーライトは人間の心身にどのような影響を与えるのか、具体的にご紹介します。

 

・目

<網膜>

特に心配なのが、網膜への影響です。ブルーライトの強いエネルギーは角膜や水晶体で吸収されず、ダイレクトに網膜に届くといわれています。中でも、網膜の奥にある黄斑という組織にダメージが積み重なると、「加齢黄斑変性症」という目の病気につながるおそれがあります。加齢黄斑変性症は、老廃物やダメージが加齢とともに蓄積することによって発症し、失明の原因にもなる病気です。ブルーライトは老廃物の蓄積などを促進して、発症を早めることがわかっています。

 

<眼精疲労やドライアイ>

ブルーライトの影響で目の周りの筋肉が酷使されると、目の痛みや充血などの症状を伴う眼精疲労、涙が出にくくなって目が乾くドライアイの原因にもなります。

人が物を見るとき、通常はレンズの働きをする水晶体の厚さが自動的に調節され、網膜上で像が結ばれます。ところが、波長の短いブルーライトは光が散乱しやすいので、ピントを合わせにくくなります。そのため、ピントを合わせるには、散乱する光に合わせて水晶体の厚さを調節し続ける必要があります。また、目に入る光の量を加減するために、瞳孔を調節する筋肉も酷使しています。

 

・肩こり

ブルーライトの影響で肩こりが起こる場合もあります。ブルーライトを大量に受けて目の筋肉が酷使されると、眼精疲労につながります。そのまま放置して疲れを回復させないと、首や肩など体の筋肉にも影響が及び、肩こりを引き起こします。

 

・肌

紫外線に次ぐ強さを持つブルーライトは、肌にも悪影響を与えます。その結果現れるものの一つが、シミです。

ブルーライトは紫外線と同様に皮膚の奥にあるメラノサイトを刺激して、メラニンの生成を促進します。過剰に生成されたメラニンが排出されず、蓄積するとシミになるのです。

また、ブルーライトはエネルギーが強いため、間近で浴びると肌が乾燥状態になるおそれもあります。

 

・睡眠

ブルーライトは睡眠障害をもたらすともいわれています。人には「体内時計」があり、1日の活動状態をコントロールしています。朝は太陽光を浴びることによって体が活動モードになり、日が暮れて夜になると、睡眠を促すメラトニンが分泌されて休息モードに入るのが自然のリズムです。

ところが、夜になってもパソコンやスマートフォンのディスプレイ画面を見続けていると、ブルーライトの強い光が刺激となり、脳が昼間と勘違いしてメラトニンの分泌が抑えられるといわれています。すると、体内時計に狂いが生じ、夜になっても眠くならなかったり、質の良い睡眠がとれなかったりします。

 

・精神

ブルーライトの強い光は、精神状態にも影響を及ぼす可能性があります。光がダイレクトに網膜から脳へ伝わることで、アドレナリンやセロトニンなど、心の状態に関与するホルモンの分泌に影響を与えます。ホルモンバランスの乱れは、落ち込みやイライラなど、不安定な精神状態の原因にもなります。

 

ブルーライトを発する機器と使用時の注意点

パソコンやスマートフォンなど、ブルーライトを発する機器は身近にたくさんあります。ここでは、代表的なアイテムをピックアップして、その影響をご紹介します。

  • スマートフォン

スマートフォンが放つブルーライトの量は、身近にある機器の中でも突出しています。その量は、液晶テレビの2倍以上とも指摘されています。

肌身離さず持ち歩くことが多いスマートフォンは使用時間が長くなりがちですが、できるだけ時間を決めて使ったり、就寝前の使用を控えたりして気をつけましょう。

 

  • パソコン

パソコンのブルーライト量はスマートフォンの6割程度です。しかし、ブラウン管テレビに比べると4倍以上の量となり、決して少なくはありません。

スマートフォンと同様、使用時間を制限して、就寝前は使わないようにしましょう。また、連続の作業は1時間程度にとどめ、こまめに休憩を取ることが大切です。ディスプレイ画面と目の距離は40cm以上離して使用すると良いといわれています。

 

  • ポータブルゲーム機器

ポータブルゲーム機器が放出するブルーライトの量も多く、スマートフォンよりわずかに少ない程度です。特に子どもはゲーム機器で遊ぶのに夢中になると、親が注意しない限り長時間画面を見続けがちになります。遊ぶ時間をある程度決めて、親が声をかけてあげると良いでしょう。

 

  • 液晶テレビ

液晶テレビから発せられるブルーライトは、スマートフォンやポータブルゲーム機器などに比べると少ない量です。とはいえ、ブラウン管テレビに比べると3倍以上あるといわれています。ブルーライトの害は、光の量だけでなく、画面から目までの距離とも関係します。影響をなるべく少なくするためにも、テレビは1m以上離れて見るようにしましょう。

 

すぐに始められるブルーライト対策

ブルーライトの影響を少しでも減らすためには、対策が必要です。機器の使い方を工夫するだけでも光の量は減少するため、ぜひ取り入れてください。

 

  • ディスプレイ画面の明るさを下げる

パソコンやスマートフォンを使うときは、ディスプレイ画面の明るさを下げましょう。ブルーライトの量を減らせます。

スマートフォンなら、ブルーライトの量を調節できるアプリを利用するのも一つの手です。パソコンには、青色光の調整をできる機種があります。

 

  • ブルーライトカットフィルムを使う

パソコンやスマートフォンに、ブルーライトをカットする専用フィルムを貼ると良いでしょう。フィルムを貼れば機器の明るさなどを調整する必要がないため、手軽で簡単です。

 

  • メガネを使ってブルーライトをカットする

ブルーライトをカットするメガネを使用する方法もあります。効果の感じ方に個人差はありますが、比較的高い確率でブルーライトをカットできます。「25%カット」「40%カット」「50%カット」など、ブルーライトをカットする割合を選べるようになっています。

 

  • ブルーライトをカットする化粧品を使う

化粧品の中には、ブルーライトをカットする成分が入った下地クリーム・BBクリーム・CCクリーム・UVパウダーなどがありますので、肌への影響が気になる人におすすめです。

残念ながら紫外線ケアの化粧品には、ブルーライトをカットする効果はありません。シミやくすみ対策のためには、紫外線とブルーライトをダブルでカットするお手入れで肌を守りましょう。

 

ブルーライトを浴びる量を減らして不調を防ぎましょう

心身にさまざまな影響を及ぼすといわれているブルーライトは、身近な機器から絶えず発せられていることから、生活と切り離すことができません。とはいえ、ブルーライトを長時間浴びる習慣を続けていると、目や肩、肌、精神などがダメージを受ける可能性があります。

紫外線と同じように、ブルーライトも対策を講じれば浴びる量を減らすことができます。ブルーライトをカットしてくれるメガネやフィルム、化粧品を上手に使いながら、光の量を極力少なくしていきましょう。


この記事の監修者
ドクター小池クリニック 院長
小池佳嗣 先生