血糖値の急上昇を防ぐ生活習慣

血糖値の急上昇を防ぐ生活習慣

2018年7月11日

この記事の監修者
薬剤師・アロマセラピスト
三矢朝美 先生

ブームを超えてすっかり定着した感のある糖質制限ダイエット。コンビニやスーパーでも、糖質オフのお弁当やお菓子の品揃えにバリエーションが出てきたし、ダイエットや健康維持、生活習慣病予防を目的に、血糖値に注意することが当たり前になってきました。血糖値は体重減や糖尿病だけに関係するものではありません。痩せにくい、眠い、だるい、イライラする……など、原因不明の身体の不調にも、血糖値が関係しているのです。血糖値とは何か。どのように身体に影響を与えるのか。今一度、勉強してみましょう!

血糖値上昇のメカニズム

血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度のこと。通常、体内では濃度が常に一定になるように調節されています。


健康な人は、
食べ物の仲の糖分がブドウ糖として血液中に送り込まれ、血糖値が上がる

血糖値を下げようと膵臓からインスリンというホルモンが分泌される

ブドウ糖は、肝臓や筋肉などの細胞に取り込まれ、食事前の値に血糖値が戻る

というメカニズムで血糖値はコントロールされていますが、何らかの原因でこの調節がうまくいかなくなると、「血糖値が高い」状態になります。「血糖値が高い」状態が続くと、糖尿病のほか、動脈硬化や心筋梗塞、肝硬変などを引き起こす可能性があります。

 

最近増えている低血糖症

また、最近増えているのが低血糖症です。血糖値を正しくコントロールできない低血糖症になると、食後に血糖値が急激に上がったのち、空腹時を下回るまで急激に下がるといった乱高下が起こる、ずっと低い値で推移する、などのパターンがあります。低血糖症の症状としては、昼食後眠くなってしまって仕事が手につかない、あまり食べていないのに太りやすい、身体がだるい、憂鬱、などがあります 。低血糖症は年齢に関係なく起こります。甘いものや炭水化物など、糖質を多く摂る食生活をしている人は、注意が必要です。

 

【低血糖症セルフチェック】

□甘いものが好きだ

□食事を菓子パンやおにぎりなどで済ますことが多い

□太りやすく痩せにくい

□空腹時に手足の震えが起きることがある

□食事と食事の間隔が長い

□午後、急激な眠気に襲われる

□やる気が出ず、ぼんやりしてしまう

□イライラすることが増えて集中できない

□ストレスがたまると暴飲暴食をする

□夜、目が覚めてしまい日中眠くなる

当てはまる項目が多い方は要注意。生活習慣を改善していく必要があります。

 

血糖値が安定しない原因

血糖値が安定しない原因は、生活習慣です。特に食生活は、大きく関係しています。

甘いものや高カロリーなもの、炭水化物を好んで食べる人は高血糖になるリスクが高いとされています。低血糖症が起きる原因は、甘いものの過剰摂取です。大量の糖を一度に摂取して体内での血糖値が急激に上がると、血糖値を早く下げようと、インスリンが大量に分泌されます。インスリンには、使いきれなかった糖を脂肪に変えて蓄える働きがあるため、大量に分泌されると、太りやすくなってしまいます。血糖値が上がりやすいのは、すぐエネルギーに変わりやすい炭水化物(白米、パン、うどん、もち、ラーメン、パスタなど)、一部の野菜類 (じゃがいも、ニンジン、かぼちゃなど)やお菓子類(ケーキ、スナック菓子、大福 )などと言われています。

また、空腹時間が長いほど食後の血糖値が急激に上昇するため、朝食を抜いている人や食事の時間が不規則な人は糖質を摂り過ぎていなくても高血糖になる可能性が高いです。そして毎回の食事で満腹になるまで食べる習慣が多い方も、血糖値が下がりにくくなってしまうので、注意が必要です。

ただ、血糖値に影響するからと糖質をまったく摂らないのは、栄養バランスが悪くなるのでNG。血糖値を急上昇させない生活習慣を取り入れて、糖質と上手に付き合っていきましょう。

 

血糖値を急上昇させない生活習慣

①ゆっくりよく噛む
血糖値の上昇には、食べ方も大きく関わってきます。同量の糖質でも、短時間で摂るほど、血糖値が上昇するスピードは早くなります。よく噛まずに飲み込んでしまうような早食いは、血糖値を急上昇させ、インスリンが大量に分泌され、太りやすくなります。食事は時間をかけて、よく噛んで食べることが大切です。食べた物が消化、吸収されて血糖値が上がり満腹中枢を刺激しますが、満腹中枢にお腹がいっぱいになったという刺激が伝わるまでは、15~⒛分ほどかかります。そのため、満腹感を得る前に食べ過ぎないよう、最低でも15~20分以上かけて食事をすることが大切です。

 

②食べる順番を変える
血糖値の急上昇を抑えるには、食べる順番も重要です。

野菜やキノコ、海藻類(前菜)

肉・魚・大豆類   (主菜)

ご飯・パン・麺類(主食)

が、血糖値の急上昇を抑える理想的な順番です。糖質が少なく食物繊維の多い野菜を最初に食べることで、血糖値がゆるやかに上昇するため太りにくくなり、食物繊維がお腹で膨らみ食べ過ぎを防いでくれます。外食やコンビニ弁当などでは、なかなか野菜などをたっぷりと摂るのは難しいかもしれません。守ってほしいのは、「糖質が最後(カーボ・ラスト)」ということ。血糖値の急上昇を避けるには、空腹状態でご飯やパンなど糖質の多い食品を食べるのを避けることが大切です。

 

③朝食をきちんと食べる
朝食を抜いて昼食までお腹がすいた状態でいると、昼食と夕食の後の血糖値が上昇しやすくなります。また、朝食を食べず空腹が長く続くと、身体が飢餓状態になり、昼飯をつい食べ過ぎてしまいます。すると空腹で下がっていた血糖値が一気に上昇してしまい、血糖値を下げるためのインスリンが大量に分泌されます。せっかく一食我慢をしても、かえって太りやすくなってしまうのです。

 

④間食を上手にする

昼食から夕食までの時間が長いと強い空腹感に襲われ、遅い時間に夕食をつい食べ過ぎてしまいます。すると、血糖値が急上昇し大量のインスリンが分泌され、肥満につながります。急激に上昇した血糖値は今度は急激に下がるので、また強い空腹感が襲ってきます。食事と食事の間が7時間以上空く場合には、適切な間食を取り入れてみてください。一度の食事での食べ過ぎを防いで、太りにくい体質になります。

ただし、間食は朝昼夕+200kcalまでが理想。間食でおすすめなのは、ナッツ類。血糖値の上昇を抑える働きがあります。噛みごたえがあるので、少量で満足感を得られやすいのも間食に適しています。特にくるみは、ナッツ類のなかで特に糖質が少ないので、ぜひおすすめします。また、果物に含まれる糖質は血糖値をほとんど上昇させないので、少量であれば間食としておすすめ。

そして大切なことは、間食は、食べる前にあらかじめ取り分けておくこと。スナック菓子などは袋のまま食べ始めると、残せばいいやと思っていてもついつい手が伸びてしまいますよね。今日は半分食べて残りは明日に、など、きちんと量を決めて食べ過ぎないようにしましょう。

 

⑤毎日の軽い運動

有酸素運動により筋肉への血流が増えると、ブドウ糖がどんどん筋肉などの細胞に取り込まれて、血糖値は低下します。有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、水泳などの全身運動のことです。ウォーキングは30分程度でもいいので、毎日続けてください。

食べる順番や間食を上手に利用することで、血糖値はコントロールすることができます。心身ともに健やかな生活を送るために、血糖値を急上昇させない生活習慣をぜひ取り入れてみてください!